2004 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球リン脂質代謝・脱顆粒におけるホスホリパーゼファミリーの機能解析
Project/Area Number |
15790116
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐野 安希子 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (80335512)
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Keywords | ヒト好酸球 / リン脂質代謝 / ホスホリパーゼC / 細胞質型ホスホリパーゼA_2 / MAPKファミリー / アラキドン酸代謝 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / D609 |
Research Abstract |
1.ヒト好酸球中のPC-PLC発現の同定 1-stearoyl-2-[^<14>C]arachidonyl-phosphatidylcholineで標識した好酸球からBligh-dyer法で脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーによって分析した。FMLP刺激によってPC由来のジアシルグリセロールは有意に上昇し、それはPC-PLC阻害剤であるD609で著明に抑制された。 2.PC-PLC活性の評価 蛍光試薬であるAmplex redを用いたenzyme-coupled assayによって活性を測定した。 FMLP刺激によるPC-PLC活性はtotal cell lysatesでは30〜60分でプラトーに達した。さらに核画分・細胞質画分についても同様に活性を調べたところ、核画分中の活性に経時的な変化は認められなかったが、細胞質画分中の活性は30〜60分でプラトーを示した。 各阻害剤を用いたところ、D609ではtotal cell lysatesと細胞質画分において濃度依存性に抑制効果がみられたが、核画分中の抑制効果は認められなかった。PI-PLC(ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC)阻害剤であるET-18-OCH_3やcPLA_2(細胞質型ホスホリパーゼA_2)阻害剤であるTFMKでは抑制効果はみられなかった。 3.細胞内Ca^<2+>濃度の測定 Fluo3-AMを用いて細胞内Ca^<2+>濃度の測定を行った。FMLP刺激によって細胞内Ca^<2+>濃度は上昇を示した。D609は濃度依存的に細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させる傾向がみられた。ET-18-OCH_3は細胞内Ca^<2+>濃度を抑制し、TFMKでは変化はみられなかった。 今年度の研究によって好酸球中のPC-PLC発現の同定・活性化の証明はできた。来年度は細胞内Ca^<2+>濃度の活性化とMAPK-アラキドン酸代謝経路の関連についてさらに解明をすすめ、さらに好酸球細胞内のPC-PLC translocationについてPC-PLC抗体を作製しフローサイトメトリーや共焦点レーザー顕微鏡で分析していく予定である。
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Research Products
(1 results)