2003 Fiscal Year Annual Research Report
血管内膜肥厚におけるMAPキナーゼ経路の役割に関する研究
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15790138
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
泉 康雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10347495)
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Keywords | 血管リモデリング / 細胞内シグナル伝達系 / MAPキナーゼ / 細胞増殖 / アポトーシス / 遺伝子導入 / 細胞遊走 |
Research Abstract |
ラット総頸動脈に対して血管障害モデルを作成し、障害後の血管内膜肥厚におけるASK1の役割について検討した。ASK1活性は血管障害直後より著明に増加し、障害後5分をピークとする劇的な一過性の活性増加を認めた。そこで、ASK1の優勢抑制型変異体を作製し、in vivoで遺伝子導入を行ってASK1の活性を直接阻害することにより、血管リモデリングにASK1が直接関与しているかどうかを調べた。優勢抑制型変異体の遺伝子導入により、血管障害後の血管内膜肥厚は有意に抑制された。そこで、血管平滑筋細胞を単離・培養してその機序を調べた。ASK1の下流に存在するp38およびJNK活性は血清等の刺激による著明に増加するが、この活性増加は優勢抑制型変異型ASK1の遺伝子導入により有意に抑制された。また、血清刺激による平滑筋細胞の増殖および遊走の亢進は優勢抑制型変異型ASK1により有意に抑制されていることがわかった。 次に、ASK1遺伝子欠損マウスを用いて、血管リモデリングにおけるASK1の役割をさらに詳細に検討した。野生型マウスとASK1遺伝子欠損マウスそれぞれから単離・培養した平滑筋細胞を用いて、その性質を比較検討した。血清刺激によるp38およびJNKの活性増加は、野生型マウスからの平滑筋細胞に比べてASK1遺伝子欠損マウスの平滑筋細胞では有意に減弱していた。また、血清刺激による平滑筋細胞の増殖および遊走は、野生型マウスと比べてASK1遺伝子欠損マウスで有意に減弱していた。さらに、in vivoで血管障害後の内膜肥厚を比較したところ、ASK1遺伝子欠損マウスでは野生型マウスに比べて内膜肥厚が有意に抑制されていた。 以上より、ASK1は平滑筋細胞の増殖・遊走を介して血管障害後の新生内膜肥厚を促進していることがわかった。ASK1は将来的に血管リモデリングを抑制するための標的遺伝子の一つとなる可能性がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Izumi Y, Kim S, Yoshiyama M, Izumiya Y, Yoshida K, Matsuzawa A, Koyama H, Nishizawa Y, Ichijo H, Yoshikawa J, Iwao H: "Activation of apoptosis signal-regulating kinase 1 in injured artery and its critical role in neointimal hyperplasia."Circulation. 108. 2812-2818 (2003)