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2005 Fiscal Year Annual Research Report

グリア細胞アポトーシス発現におけるミトコンドリア蛋白の機能的役割

Research Project

Project/Area Number 15790140
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

田熊 一浩  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90289025)

Keywordsアストロサイト / 遅発性細胞死 / アポトーシス / 活性酸素 / ミトコンドリア / Permeability Transition Pore (PTP)
Research Abstract

代表者の所属する研究グループは,グリア細胞の機能解明を通して脳機能を追究する目的で,脳内の主要グリア細胞であるアストロサイトの病態的意義に関して一連の研究を行ってきた.その過程において,インビトロ虚血-再灌流モデルの一つであるCa^<2+>再灌流において,Na^+-Ca^<2+>交換系を介したCa^<2+>過流入より遅発性グリア細胞死が発現することを見いだした(Eur.J.Neurosci.,1996).また,本障害のシグナルカスケードについて,活性酸素産生ならびにカスパーゼ3の活性化が関与するアポトーシスにより進行することを明らかとし(Eur.J.Neurosci.,1999),制御機構について,cGMP-Gキナーゼ系の活性化がミトコンドリアのPTP制御を介して抗アポトーシス作用を発現することを明らかとした(Br.J.Pharmacol.,2001 ; J.Biol.Chem.,2001).さらに,熱ショック蛋白がアポトーシスを抑制すること(Brain Res.,2002),カテプシンDが促進シグナルとして,一方,カテプシンBが抑制シグナルとして機能していることを見いだした(Neurochem,Int.,2003).平成15年度は,神経細胞死発現過程におけるアストロサイトの役割を追求する目的で,アミロイドβ(Aβ)神経毒性モデルを用いて解析を行い,アストロサイトが液性因子を介して神経細胞をサポートすることを明らかとし,さらに,脳機能改善薬T-588が本作用の維持・改善により神経細胞保護作用を発現することを明らかとした(Neurochem.Res.,2004).また平成16年度は,神経脱落疾患におけるミトコンドリアシグナルならびにアポトーシスの役割について追求する目的で,まず,神経細胞におけるAβ毒性の作用機序を検討し,Aβ結合アルコール脱水素酵素および変異型アミロイド前駆蛋白(mAPP)を導入したマウス由来の神経細胞において,ミトコンドリアの機能低下と脆弱性の増大を明らかとした.このミトコンドリア機能の低下は呼吸鎖複合体IVの活性低下と密接に関連しており,ATP産生の低下,活性酸素産生の増加,ミトコンドリアからのシトクロムc遊離およびカスパーゼ3活性増加といった一連のアポトーシスシグナルの活性化をもたらすことを見いだした.さらに,ABADとAβの相互作用を阻害する蛋白質がこれらの障害を抑制することを示した.平成17年度は,ABADによる神経細胞死増強作用に対するグリア細胞の役割ならびにABAD発現に伴うグリア細胞のミトコンドリア機能変化についての検討を計画したが,遺伝子改変マウス個々より培養グリア細胞を調製することが非常に困難であり,本計画については期間内に完了することができなかった.一方,前年度より継続して神経細胞におけるAβ毒性発現機序についての解析を実施し,ミトコンドリア内でのABADとAβの相互作用がアポトーシス発現に重要であることをABADデコイペプチドを用いて示すとともに,その発現機序にPTP形成が関与することを薬理学的に明らかとした.

  • Research Products

    (3 results)

All 2006 2005

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 中枢神経系のアポトーシスにおけるミトコンドリアの役割に関する研究2006

    • Author(s)
      田熊, 一敞
    • Journal Title

      日本薬理学雑誌 127(5)(in press)

  • [Journal Article] ABAD enhances Aβ-induced cell stress via mitochondrial dysfunction2005

    • Author(s)
      TAKUMA, Kazuhiro
    • Journal Title

      The FASEB Journal 19(4)

      Pages: 597-598

  • [Journal Article] Mitochondrial dysfunction, endoplasmic reticulum stress, and apoptosis in Alzheimer's disease2005

    • Author(s)
      TAKUMA, Kazuhiro
    • Journal Title

      Journal of Pharmacological Sciences 97(3)

      Pages: 312-316

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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