2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子DEC1/2の低酸素応答における新規経路と機能解析
Project/Area Number |
15790152
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮崎 和子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (00311811)
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Keywords | 転写因子 / 発現調節 / 遺伝子 / 低酸系 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
固形がん内部は細胞増殖と血管新生の不均衡により低酸素状態に陥る。このとき低酸素状態により誘導される転写因子Hypoxia-inducible factor 1 (HIF-1)の発現が亢進し、血管新生を促進しがん細胞の増殖や転移に重要な役割を果たしていると考えられている。近年、申請者らは新規転写因子DEC1およびDEC2が低酸素状態で発現が誘導されることを見出した。本研究では、DEC1およびDEC2の低酸素による発現調節のメカニズムの検討および生物学的機能の探索を試みた。 DEC1およびDEC2遺伝子のプロモーター領域の数種類の断片をルシュフェラーゼレポーターベクターに繋ぎ、転写活性を測定したところ、低酸素処置によってDEC1およびDEC2遺伝子の転写が亢進した。プロモーター上にHIF-1α結合コンセンサス配列がDEC1には1つ(DEC1-HRE)、DEC2には2つ(DEC2-HRE1,DEC2-HRE2)存在し、それらをルシュフェラーゼプロモーターベクターに繋いでエンハンサー活性を検討した結果、DEC1-HREとDEC2-HRE1はHIF-1αの一過性強制発現により転写活性が上昇したが、DEC2-HRE2は活性が上昇しなかった。さらに、ゲルシフトアッセイを行ったところ、HIF-1がDEC1-HREとDEC2-HRE1と直接結合することが判明し、DEC1およびDEC2がHIF-1の新規標的遺伝子であることを証明した。また、12種類の乳がん細胞株におけるDEC1およびDEC2の発現を検討したところ、全ての細胞株でDEC1の発現がみられ、その発現量は細胞間で数倍から数十倍の差が見られた。一方、DEC2の発現は検出できなかった。DEC1とDEC2は高い相同性を示すことから、両者の使い分けのメカニズムがある可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)