2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790158
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 寄附研究部門教員 (90344499)
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Keywords | オステオポンチン / α9β1インテグリン / 細胞外マトリックス / 感染症 / マクロファージ / 分子細胞生物学 / BCG / NKT細胞 |
Research Abstract |
オステオポンチン(OPN)は、分子量約41kDaの分泌型酸性リン酸化糖タンパク質である。分子中央部にはインテグリンとの細胞接着に重要なGRGDS配列と、その直後には炎症に関与するα9、α4インテグリンと結合するSVVYGLR配列が存在し、OPNは種々の細胞と多様な接着様式を有することで、癌や炎症性疾患等多くの難治性疾患発症と関与することが示されている。 OPNは分子中央部にトロンビン切断部位が存在する。トロンビンで切断されたOPNのN末側はGRGDSやSVVYGLR配列を有し機能解析が進んでいるが、C末側の機能は不明である。当研究室ではC末側に細胞接着活性を見出し、本科研費補助金の一年目の成果からC末側に新規結合領域を同定することができた。新規結合領域の接着活性は二価イオン要求性であったことから、受容体はインテグリンであることが予想され、抗β1インテグリン抗体で細胞接着阻害効果を見出すことができた。 本年度はインテグリンα鎖同定を試み、α9インテグリンを発現させた細胞での接着効果と抗α9インテグリン抗体での接着阻害を見出すことができた。すなわち、新規細胞接着領域はα9β1インテグリンと結合することが分かった。マウス腹腔内マクロファージ(PEC)を新規細胞接着領域で刺激するとIL-12が産生されることを見出し、また新規細胞接着領域に対する抗体は、OPNのPHC刺激によるIL-12産生を抑制した。OPN欠損マウスはBCG感染抵抗性が抑制されていることから、現在、本細胞接着の意義を感染症モデルで検討を進めている。本研究を進めることにより、細胞外マトリックス-インテグリン相互作用による感染症発症への関与を見出したいと考えている。 また、本研究を遂行することにより、OPNはNKT機能を調節することにより肝炎発症に関与することを示すことができた。
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Research Products
(6 results)