2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリン性アミロイドーシスの診断、治療のための抗体開発
Project/Area Number |
15790186
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
星井 嘉信 山口大学, 医学部, 講師 (00263773)
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Keywords | アミロイドーシス / 免疫グロブリン / 抗体 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
免疫グロブリンλ鎖VλVIサブグループARの1-19番目に相当するアミノ酸配列のN末端側にCysを付加した直鎖ペプチドを合成し、KLHを担体としてウサギに免疫し抗血清を作製、さらにアフィニティー精製を行い、抗VλVI1-19とした。同様に免疫グロブリンκ鎖VκIサブグループBREの1-19番目に相当する直鎖ペプチドに対する抗血清を作製、さらにアフィニティー精製を行い、抗VκI1-19とした。1990年から2004年に免疫組織化学的にタイプ決定を行ったALアミロイドーシス(Aλ22例、Aκ11例の腎臓)のホルマリン固定パラフィン切片を用い、免疫組織化学的検討を行った。抗VλVI1-19はAλ型22例中21例陽性で、Aκ型は陰性であった。抗VκI1-19はAκ型11例中10例陽性であり、Aλ型では22例中1例に明瞭な陽性反応が見られた。L鎖可変領域は多様性に富んでいることから、今回作製した抗体でALアミロイドーシス全例を認識しうるわけではないが、抗VλVI1-19は95.5%、抗VκI1-19は90.9%と、大部分の症例を検出しえた。作製した抗体が抗原としたサブグループに特異的なものか、あるいは他のサブグループとも交叉反応する可能性があるのかをELISAにて確認したところ、いずれも抗原としたサブグループ以外のサブグループと交叉反応を示し、サブグループ特異的ではなかった。Aλ型で抗VκI1-19陽性となった症例については、Aλ、Aκの共存の可能性もありうる。抗VλVI1-19および抗VκI1-19はホルマリン固定パラフィン切片にて染色性良好であり、陽性率が高く、また定常領域を含まないALアミロイドーシス例を検出できる可能性があり、ALアミロイドの免疫組織化学的診断に有用な抗体である。
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