2003 Fiscal Year Annual Research Report
多系統萎縮症での乏突起膠細胞封入体(GCI)における14-3-3蛋白発現の検討
Project/Area Number |
15790189
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石沢 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10327025)
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Keywords | 多系統萎縮症 / 乏突起膠細胞封入体 / 14-3-3蛋白 / アルファ-シヌクレイン |
Research Abstract |
我々は、本計画の立案前に予備的検討を加え、以下のことを誌上に発表した(T.Komori, K.Ishizawa, et al.:Acta Neuropathol:106:66-70,2003).すなわち、MSAにおいて障害される主要な神経解剖学的部位(被殻、小脳半球、橋底部.黒質、内包など)を対象にして抗alpha-synuclein抗体および抗14-3-3蛋白抗体による免疫染色を行い、おのおので標識されるGCIの個数を定量化した.この結果、14-3-3陽性GCIの個数は、alpha-synuclein陽性GCIの個数と比較するとその約50%〜90%であること、また、GCIの14-3-3陽性率(14-3-3陽性GCIの個数/alpha-synuclein陽性GCIの個数)は解剖学的部位によって違うことが判明した. また、上記の解析と平行して、同様の抗alpha-synuclein抗体および抗14-3-3蛋白抗体を使用した蛍光2重免疫染色にて検討したところ、alpha-synuclein陽性GCIの一部が、同時に14-3-3蛋白も発現していることが示された.また、MSAにおけるGCI以外のalpha-synuclein陽性病的構造物(neuronal cytoplasmic inclusion, neuropil thread)についても検討を加えたところ、これらの構造物にも14-3-3蛋白の発現を認めた. 以上の結果は、GCIの異常蛋白に14-3-3蛋白も含まれていることを示している.また、14-3-3蛋白は、GCIのみならずneuronal cytoplasmic inclusion, neuropil threadにも含まれており、MSA脳の病的構造物において広範な分布を有することが判明した.
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Research Products
(1 results)