2003 Fiscal Year Annual Research Report
Pasteurella multocida毒素の細胞内標的分子の検索
Project/Area Number |
15790221
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 清正 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314474)
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Keywords | Pasteurella multocida毒素 / 細胞内標的分子 / 細胞増殖 / 発現クローニング / DNA合成 / サイクリンA |
Research Abstract |
Pasteurella multocida毒素(PMT)は培養細胞に対して強い増殖促進因子として働き、細胞周期が静止期にある細胞のDNA合成を誘導する。現在まで、PMTの作用機構に関してはほとんど分かっでいない。本研究ではPMTの細胞内標的分子を明らかにするため、PMTによる細胞DNAの合成誘導を指標にした発現クローニングを試みた。 細胞周期がDNA合成期(S期)に移行するためにはサイクリンAの発現が必須である。そこで、サイクリンAプロモーターの下流にEGFPを結合させたプラスミド(pCyc.A-d2EGFP)をレポーター遺伝子として用いた。またEGFPの半減期は24時間以上で、このままではEGFP陽性細胞を分別する事が出来ないため、半減期が2時間となるように分解シグナルを付加したd2EGFPを用いている。レポーター遺伝子を導入するPMT非感受性細胞として、ヒト初代培養細胞をSV40で不死化させたHFI細胞を用いた。この細胞にpCyc.A-d2EGFPからSVoriを除いたものを導入し、安定発現株をFACSにより回収した。スクリーニングのためのcDNAライブラリーは、PMT高感受性細胞であるSwiss3T3細胞からmRNAを調製し、リンカープライマー法により作製した。このSwiss3T3cDNAライブラリーを先程のHFI細胞に導入後PMTを作用させ、EGFP陽性となった細胞をFACSで回収した。得られた細胞群からハート法によりプラスミドを回収した。このスクリーニングを合計3回行い、最終的に得られたクローンについて解析中である. また、PMTは三量体GTP結合タンパク質Gqを介してホスフォリパーゼCを活性化すると考えられている。このシグナル伝達経路はGqと共役する膜受容体(GPCR)の活性化から始まるので、PMTの作用点も細胞膜にあると推測される。そこで、培養細胞、GPCRが多く存在する脳、PMTの作用が観察されたとの報告がある肝臓から膜画分を回収し、PMTを作用させてから2次元電気泳動を行った。様々な条件下で2次元電気泳動を行ったが、コントロールと差異のあるスポットは検出されていない
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