2003 Fiscal Year Annual Research Report
劇症型溶レン菌感染症起因菌が産生するホスホリパーゼA2の病原因子としての機能
Project/Area Number |
15790234
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
池辺 忠義 国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (20333362)
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Keywords | 劇症型溶レン菌感染症 / Streptococcus pyogenes / phospholipase A2 |
Research Abstract |
劇症型溶レン菌感染症起因株であるNIH1株に存在するphospholipase A2と相同性のある蛋白質をコードするsla遺伝子の突然変異体を作製するため、pVA838にsla遺伝子の内部領域をクローニングした。作製したプラスミドをエレクトロポレーション法によりNIH1に導入し、相同組換えにより、sla破壊株であるNIH1 sla::erm株を作製した。NIH1 sla::erm株をマウスの腹腔内に1x10^6チャレンジし、LD_<50>を調べたが、NIH1と差が確認されなかった。差が見られなかったのは、マウスに対して、感受性が低いことが考えられるため、マウスではなく、培養細胞を用いて、以後、実験を行うことにした。Slaが、直接、細胞毒性を示すか否か調べるため、Sla蛋白質を精製した。Sla蛋白質のアミノ酸配列を調べると、Slaは分泌蛋白質であることが推測されたことから、シグナルペプチドを除いたSlaをコードする領域をPCRにより増幅した。増幅した断片を大量発現ベクターであるpGEX6P-1にクローニングし、発現した時にglutathion-S-transferase (GST)との融合蛋白質ができるように作製した。大量発現させたGST-Sla融合蛋白質をPreScission Proteaseにより切断し、Slaの部分のみからなるリコンビナントSla (rSla)を精製した。rSla蛋白質がphospholipase A2活性を保有するか調べるため、TCL法により確認した。マウスの筋肉細胞であるC2C12細胞を用い、rSlaの細胞障害活性をLactate dehydrogenase (LDH)活性を指標に調べた。その結果、rSla蛋白質の添加量に依存してLDHの活性が上昇することから、この蛋白質には、細胞障害活性を保有することが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ikebe, T: "Changing prevalent T serotypes and emm genotypes of Streptococcus pyogenes isolates from streptococcal toxic shock-like syndrome (TSLS) patients in Japan."Epidemiology Infection. 130. 569-572 (2003)
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[Publications] 池辺忠義: "近年分離されたStreptococcus pyogenes M3型株に特異的に存在するファージ様DNA断片にコードされる遺伝子産物の解析"第12回Lancefieldレンサ球菌研究会抄録集. 27 (2003)
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[Publications] 池辺忠義: "わが国における劇症型/重症溶血性レンサ球菌感染症起因菌emm49型Streptococcus pyogenesについて"病原微生物検出情報. 24. 112-113 (2003)
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[Publications] 池辺忠義: "劇症型A群レンサ球菌感染症"理解して実践する感染症診療・投薬ガイド 総合臨床増刊号. 52. 1061-1065 (2003)
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[Publications] 池辺忠義: "レンサ球菌属(劇症型溶血性レンサ球菌感染症起因菌を含む)"新世紀の感染症学(下)-ゲノム・グローバル時代の感染症アップデート- 日本臨床増刊号. 61 suppl 3. 665-669 (2003)