2003 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー発症を制御するTh2細胞の形質維持機構に関する研究
Project/Area Number |
15790248
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 元子 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00345018)
|
Keywords | Th2細胞分化 / Schnurri-2 / NF_<-κ>B / GATA3 |
Research Abstract |
Schnurri-2(Shn-2)欠損CD4 T細胞は、Th2細胞の分化が著しく亢進することが以前の研究より明らかになっていた。しかしそのメカニズムはほとんどわかっておらず、本年はその解析を中心に行った。 まずShn-2欠損CD4 T細胞では、NF_<-κ>Bが恒常的に活性化していることがわかった。Th2細胞分化のマスター遺伝子であるGATA3は、NF_<-κ>Bの標的遺伝子の一つであることから、GATA3の発現を調べたところ、Shn-2欠損CD4T細胞において優位に上昇していることがわかった。 一方、ショウジョウバエShnの研究から、ShnはTGF-βシグナルの下流に位置する分子と考えられている。TGF-βシグナルはTh2細胞分化を抑制することが報告されていることより、Shn-2がTGF-βシグナルをポジティブに制御している可能性を検証したが、その可能性は低いことがわかった。 またShn-2欠損CD4 T細胞におけるNF_<-κ>Bの恒常的な活性化のメカニズムに関しても検討を行った。一つ目に、Shn-2欠損CD4 T細胞におけるNF_<-κ>Bのタンパク量は、野生型の発現量と変わりなく、Shn-2欠損CD4 T細胞におけるNF_<-κ>Bの恒常的な活性化は、NF_<-κ>Bタンパクの発現上昇によるものではないことが判明した。次に、Shn-2自身のNF_<-κ>B結合領域への結合能を調べたところ、Shn-2はNF_<-κ>B結合領域へ直接,結合することが判明した。こうしてShn-2は、NF_<-κ>B標的遺伝子の活性化を阻害しているのではないかと考えられた。 この結果は現在論文にまとめ投稿中(Immunity)である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Fukuda, K.: "Mesenchymal expression of Foxll, a winged helix transcriptional factor, regulates_generation_and_maintenance of gut-associated lymphoid organs."Dev.Biol.. 255. 278-289 (2003)
-
[Publications] Kamata, T.: "src homology 2 domain-containing tyrosine phosphatase SHP-1 controls the development of allergic airway inflammation"J.Clin.Inv.. 111. 109-119 (2003)
-
[Publications] Shirai, T.: "Th1-biased immunity induced by exposure to Antarctic winter"J.Allergy Clinical Immunol.. 111. 1353-1360 (2003)
-
[Publications] Sakamoto, M.: "Distinct calcium response induced by T cell antigen receptor stimulation in thymocytes and mature T cells"Bioimages. 11. 1-8 (2003)
-
[Publications] Omori, M.: "CD8 T cell-specific downregulation of histone hyperacetylation and gene activation of IL-4 gene locus by ROG, repressor of GATA"Immunity. 19. 281-294 (2003)
-
[Publications] Murata, K.: "CD69-null mice protected from arthritis induced with anti-type II collagen antibodies"Int.Immunol.. 15. 987-992 (2003)