2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性化樹状細胞に発現するTh2細胞分化誘導因子の同定と解析
Project/Area Number |
15790251
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
星野 克明 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, 研究員 (50324843)
|
Keywords | 免疫学 / Toll-like receptor / 樹状細胞 / 自然免疫 / 分子生物学 |
Research Abstract |
寄生虫感染は、一般的にTh2細胞分化を誘起することが知られている。未熟樹状細胞は、寄生虫の成分に反応して、Th2細胞分化支持能を有する抗原提示細胞に成熟していると考え、樹状細胞をアッセイに用いて寄生虫成分の精製と性状解析を行うことにした。腸管内の寄生虫と異なり、ほぼエンドトキシンフリーの状態で分離することの可能な、旋毛虫(Trichinella spiralis)の筋肉内幼虫を用いて、マウス樹状細胞を活性化する成分の検索を行った。樹状細胞はマウス骨髄細胞をhuman Flt-3 ligandと共に培養し作製した。旋毛虫の抽出液による刺激で、樹状細胞はIL-12を産生し、同時に補助機能分子(CD40,CD86)の発現を増強した。この抽出液中に含まれる成分は、Proteinase KおよびRNase Aに感受性を有していることから、タンパク質およびRNAが推定された。DNase Iには耐性であった。MyD88欠損樹状細胞では、これらの反応が見られないことから、抽出液中に存在するリガンドの候補としてToll-like receptor(TLR)が想定された。そこで、種々のTLR欠損マウス由来の樹状細胞を用いてスクリーニングを行った結果、TLR7およびTLR9欠損樹状細胞で反応が欠除することが明らかとなった。抽出物中の活性は界面活性剤により可溶化することが可能であり、引き続いて陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーで精製を行った。各フラクションを樹状細胞と共に培養し、IL-12産生および補助機能分子の発現を測定し活性を追跡し、最終的に大まかな分子量(10,000)を決定した。大量精製に向けて、準備中である。
|
Research Products
(5 results)