2003 Fiscal Year Annual Research Report
VαNKT細胞に発現するCD1d分子を認識する抑制性受容体の細胞傷害抑制機構
Project/Area Number |
15790259
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
原田 通成 独立行政法人理化学研究所, 免疫制御研究チーム, 研究員 (20333487)
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Keywords | NKT細胞 / CD1d / SHP-1 / 抑制性受容体 |
Research Abstract |
(研究の目的) Vα14NKT細胞の細胞傷害活性はCD1d分子を認識する抑制性受容体で調節されることが判明した。その抑制性受容体分子としてはSHP-1と結合する120kDaのチロシンリン酸化タンパク質であることが示唆された。この研究ではCD1d分子に対する抑制性受容体を明らかにし、強力な傷害活性を持つVα14NKT細胞の傷害抑制の機構を分子レベルで明らかにすることを目標とする。また、生体でのNKT細胞機能に対する関与の解明を目指して研究を行う。 (研究実施計画) 活性化したVα14NKT細胞の腫瘍細胞の排除機構に重要であるCD1dに対する抑制性受容体を明確にし、Vα14NKT細胞の傷害抑制機構を解明する。現在までに、CD1dに対する抑制性受容体としては120kDaのチロシンリン酸化タンパク質である可能性が高いことを示した。そこで第一に、抑制性受容体と考えられる120kDaのチロシンリン酸化タンパク質の同定を試みる。平成15年度における計画は以下の通りである。 ・抑制性受容体に対するmAbの作成 ・CD1dに対する抑制性受容体の同定 ・抑制性受容体の情報伝達 (現状) ・すでに標的細胞の識別に重要なCD1d分子に対する抑制性受容体に対する抗体(mAb)の樹立に成功した。すなわち、NKT細胞表面を染色可能である。さらにCD1dを発現する標的細胞とNKT細胞を共培養後に当抗体で免疫沈降したところすると120kDaタンパクのチロシンリン酸化が検出され、この時、SHP-1の共沈も確認された。 ・120kDaのチロシンリン酸化タンパク質に対するmAbを用いて発現クローニングを行い、分子の同定は終了した。 ・生化学的な手法で傷害抑制に関連する分子を解明を行なっている。
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