2003 Fiscal Year Annual Research Report
くん蒸剤の代謝と健康影響に関する研究-プロピレンオキシドについて、分子疫学的アプローチによる
Project/Area Number |
15790284
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野見山 哲生 信州大学, 医学部・社会予防医学講座, 助教授 (70286441)
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Keywords | くん蒸剤 / プロピレンオキシド / 生物学的モニタリング |
Research Abstract |
本研究では、オゾン層破壊物質に指定され、2005年から使用が禁じられている燻蒸剤臭化メチルの代替物質曝露作業者の曝露評価および健康影響調査を行うことを目的とする。臭化メチル代替物質(沃化メチル、プロピレンオキシド、フッ化スルフリル、イソチオシアン酸メチル)に関しては、現在まで個人曝露濃度測定及び生体試料(尿または血液)による曝露量評価である生物学的曝露指標に関する研究は行われていない。また、曝露限界値を設定に重要な情報である曝露量-反応関係のある疫学調査研究も得られていない。しかし沃化メチルは原料である沃素の生産量が大変少ないため価格が著しく高く、くん蒸剤としてはプロピレンオキシドの使用量が増加する、と考えられている。そのため曝露作業者の健康管理を行うために、性・年齢をマッチさせた非曝露作業者を含む時間断面研究を行った結果は、当該作業者の健康管理、作業管理、作業環境管理に十分な成果となると共に、本結果からもたらされる曝露量-影響関係は、これらの燻蒸剤作業者の健康管理を行う上での有益な情報となり、産業保健上有意義である。 本年度はプロピレンオキシド曝露によって生体内で生じると仮定した生体試料(血液、尿)中代謝物質の測定法の確立により、プロピレンオキシド曝露作業者の生体試料(血液、尿)と曝露濃度との関係を得るべく、現在生物学的曝露指標の確立に向けた実験を継続して進行している。また、疫学調査を行う職場と調査遂行に向けて子細を検討している段階である。今後遅滞なく対象者へのインフォームドコンセントを行い、調査を実施する予定である。
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