2003 Fiscal Year Annual Research Report
消化器がんにおける宿主DNAメチル化と環境要因に関する研究
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15790287
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
郡山 千早 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30274814)
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Keywords | DNAメチル化 / 環境 / 生活環境 / ウイルス / 疫学 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 本年度は主に胃がんの症例を対象として、Epstein-Barr(EB)ウィルス感染と宿主のその他の環境要因の相互作用が、細胞周期制御遺伝子の一つであるp16の宿主DNAメチル化にどのように影響しているかについて検討を行った。 胃がん症例におけるp16蛋白の発現欠損は、宿主DNAメチル化と強く関連していることがすでに報告されていることより、今回はパララィン包埋病理標本を用いて免疫組織化学染色法により109例の胃癌症例についてp16蛋白の発現欠損と生活習慣などの宿主の環境要因、EBウイルス感染との相互作用について解析を行った。質問票を用いて喫煙・飲酒歴、塩分や食品の摂取頻度、嗜好品などについて調査を行い、解析に用いた。EBウイルス感染の有無は癌組織におけるEBV-encoded small RNA(EBER)の発現をin situ hybridization法を用いて調べた。 胃がん109例中EBER陽性例は19例、陰性例は90例であった。EBER陽性胃がんではp16蛋白の発現欠損を9例(47%)、陰性胃がん例では16例(18%)に認め、その差は有意であった。 一方、生活習慣(喫煙、食塩・果物・野菜などの摂取頻度、調理方法など)、職業性曝露の有無、性、年齢とp16蛋白の発現欠損との関連を検討してみたが、いずれの項目においても有意な関連は認められなかった。今後は、実際のCpGメチル化の検討に加えて、hMLH1、p14、MGMT、APCなどの遺伝子についても検討を行う。
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Research Products
(1 results)