2005 Fiscal Year Annual Research Report
軽症痴呆と日常生活動作との関連についての疫学的研究
Project/Area Number |
15790299
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
天野 宏紀 島根大学, 医学部, 助手 (80293033)
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Keywords | 軽症認知症(痴呆) / 痴呆スクリーニング検査 / 改訂長谷川式簡易知能評価スケール / 日常生活動作能力(ADL) / 罹患率 / 縦断研究 / 認知症 / 痴呆 |
Research Abstract |
本研究は縦断研究により軽症認知症(痴呆)と日常生活動作との関連及び地域での活動に参加する高齢者における認知症の罹患率を明らかにすることを目的とする。 これまで本研究では平成15年度にベースライン調査(日常生活に関する調査、血圧測定及び認知症スクリーニング検査)を実施し、ベースライン調査から1年半経過した平成16年度末にベースライン調査と同様の内容の調査を再度、実施した。本年度は平成16年度末に収集した疫学調査データを入力し、データベースを作成して軽症認知症と日常生活動作との関連について解析を行うとともに、ベースライン調査時から1年半経過後の認知症の罹患率を明らかにすることを試みた。 我が国で高齢化が最も進行している島根県の東部に位置するH町の60歳以上の高齢者クラブ員で、ベースライン調査時に調査協力の同意が得られた研究対象者278名(男77名、女201名)のうち、H町と共催した平成16年度末の「元気でいきいき教室」に参加し、日常生活に関する調査、血圧測定及び認知症スクリーニング検査(改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R))に応じたのは128名(男37名、女91名)であった。128名中、ベースライン調査時にHDS-Rにて脳機能活性度が低下していないと評価されたのは119名(男34名、女85名)であった。このうちベースライン調査から1年半経過後の調査でHDS-Rにて脳機能活性度が低下している疑いのある者と評価されたのは4名(男2名、女2名)であった。この結果から、島根県H町の60歳以上の高齢者クラブ員におけるベースライン調査から1年半経過後の脳機能活性度が低下している疑いのある者の割合(罹患率)は3.4%であった。カイ二乗検定の結果、脳機能活性度が低下していない者に比べて、脳機能活性度が低下している疑いのある者は転びやすくなった者の割合が有意に高かった(p<0.05)。
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