2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患に対する心理社会学的アプローチ・患者のQOL向上のための疫学的検討
Project/Area Number |
15790301
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小嶋 雅代 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30326136)
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Keywords | 慢性疾患 / QOL / 疫学 / 関節リウマチ / 抑うつ / BDI-II / SF-36 / 臨床評価 |
Research Abstract |
平成16年度科研費研究実績の概要 慢性腎不全の予後と心理社会的要因との関連を探ることを目的に、週3回血液透析を受けており、自立通院可能な20-79歳の慢性腎不全患者を対象に、平成14年度にベースライン調査を行い、以後6ヶ月毎に通院状況について追跡調査を行ってきた。今年度は、ベースラインデータにおける心理社会的要因、各検査指標と心拍変動指標との関連に重点を置き解析を進めたところ、解析可能な158名において、心拍変動指標は何れも健康的に好ましい方向で高い傾向が見られた。triangular indexは蛋白異化率およびSF-36を用いて評価した身体的QOL指標と、ULFは身体的QOL指標およびBDI-2を用いて評価した抑うつ度と軽度ながら有意な相関を示した。心拍変動指標の中では特にLFが最も身体的・心理的QOL指標と強い関連を示し、HFはHAD尺度で評価した不安度との関連が強く見られた。この結果は第49回日本透析医学会学術集会で発表した。 同様に、関節リウマチ患者の主観的QOL規定要因を探るため、2003年3-4月、専門外来を受診したリウマチ患者303名にベースライン調査を行い、以後1年毎に追跡調査を継続中である。今年度は特にベースライン調査データを用いて患者の痛みの評価について多方面から解析を進めたところ、痛みが全くない場合は評価方法による違いは殆ど見られないが、軽度以上の痛みの程度を数値化する場合、質問方法によりばらつきが生じることが確認された。この結果は第15回日本疫学会学術総会で発表した。
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