2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域での高感度CRPとヘリカルCTによる冠動脈石灰化に関する疫学的研究
Project/Area Number |
15790302
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 功 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90253781)
|
Keywords | 高感度CRP / ヘリカルCT / 石灰化 / 疫学 / リスクファクター |
Research Abstract |
本研究は、炎症指標である高感度CRP(hs-CRP)と、ヘリカルCTによる冠動脈石灰化との関連を検討することを目的に実施した。研究対象は、大分県M町における平成15年度基本健康診査受診者において、hs-CRPの測定を実施し(1041名)、その中からヘリカルCT検査を希望した70名(男27名、女43名)である。研究対象者に対しては、事前説明会を実施し、書面によるインフォームド・コンセントを得た。なお、本研究計画は、奈良県立医科大学の医の倫理委員会の承認を経て実施されている。ヘリカルCT(東芝アスティオン)の撮影は、気管分岐下1.5cmより120mm、撮影条件は、120KV、180mA、0.75sec half scan、心電図同期撮影とし、撮影スライス厚3mmのscan & scan法で行った。石灰化の評価は、循環器科専門医2人により独立して判定を行い、冠動脈の枝ごとに、石灰化なし、軽度、中等度、高度の4段階の判定を行った。そして、二人の医師の平均スコアを石灰化評価指標として用いた。結果、70名中で、冠動脈のいずれかの枝において、軽度以上の石灰化を有するものは62.9%に上った。さらに、中等度以上の割合は21.4%であった。hs-CRPにより、0.1mg/dl以上の群(32名)と、0.1mg/dl未満の群(38名)で比較すると、石灰化軽度以上の割合は前者で65.6%、後者で60.5%、さらに、中等度以上の割合は、前者で25.0%、後者で18.4%であった。hs-CRPの高い群で石灰化の検出率はやや高い傾向を認めたが、明らかな違いまでには至っていない。次年度、対象者を増やし、同様の検討を加えていくとともに、生活習慣などの交絡要因を合わせた分析を実施する。
|