2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本における地域別がん死亡率の将来予測とマッピング・動的表示によるトレンド分析
Project/Area Number |
15790305
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 康仁 東京女子医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学(2), 助手 (30349774)
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Keywords | 将来予測 / がん死亡モデル / 生態学的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がん死亡率を予測する数理モデルを開発し、地域別のがん死亡率の将来推計値を得ることである。本研究では、栄養と関連の深い消化器がんに注目し、モデル開発を行なった。 目的変数には、胃がん、大腸がん、直腸がん、膵臓がんを用いた。膵臓がんは、栄養と直接的に関連しているとはいえないが、対照として採用した。説明変数として栄養データ(エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、鉄、食塩、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC)を用いた。また、喫煙、飲酒、運動、肥満、医療費、医師数、健康診査受診率、病院数についても説明変数として考慮した。モデル化にあたっては、説明変数の検討とともに、重み変数、マスク率、交互作用項の検討を行なった。 結果は以下のようになった。胃がん死亡を説明する数理モデルにおいては、人口10万人あたりの病院数、ビタミンCの摂取、食塩の摂取がモデルに取り込まれた。結腸がん死亡を説明する数理モデルにおいては、人口10万人あたりの病院数、アルコールの摂取、たんぱく質の摂取がモデルに取り込まれた。直腸がん死亡を説明する数理モデルにおいては、人口10万人あたりの病院数、たんぱく質の摂取、運動がモデルに取り込まれた。膵臓がん死亡を説明する数理モデルにおいては、肥満および喫煙がモデルに取り込まれた。 これらのモデルの妥当性を考慮するため、残差の分析を行なったが、問題は見られなかった。これにより、本研究により開発したモデルは、がん死亡をよく説明していると考える。
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