2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790306
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
須賀 万智 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30339858)
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Keywords | 院内感染 / サーベイランス / 疫学 |
Research Abstract |
厚生労働省の院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業を受けて、薬剤耐性菌感染症発生に関するデータの収集の体制が整備されてきている。しかし、現時点において、サーベイランス・データの疫学的評価系が確立されておらず、情報や知識の還元が十分でない。院内感染の発生動向を的確にとらえ、その疾病負担を的確かつ簡便にあらわしうる疫学的評価指標の開発が期待されている。本研究の自的は、JANISデータベースを用いて、院内感染に関する疫学的評価指標を比較検討して、院内感染対策サーベイランスの疫学的評価系を開発することにある。 本年度は院内感染のハイリスク・エリアである集中治療室(ICU)を中心にして、サーベイランス・データを収集して、基本になるデータベースを構築した。そして、日本のICU内獲得感染症の現状を明らかにするため、以下のような解析結果を報告した。 1.ICU内獲得感染症による死亡リスクの増加は、性、年齢、APACHEスコア、手術、ディバイスなど交絡要因を調整しても、感性菌で1.4倍、耐性菌で1.9倍におよび、ICUにおける院内感染対策の重要性が示された。 (Environmental Health and Preventive Medicine 2004) 2.ICU内獲得感染症による医療負担の評価から、死亡の増加と入院期間の延長を認めた。このような影響はとくにAPACHEスコアの低い軽症例において有意であり、ICUにおける院内感染対策はAPACHEスコアの高い重症例よりもAPACHEスコアの低い軽症例においてより重要になると考えられた。 (環境感染 印刷中) 3.術後患者の割合によるICU施設属性とICU内獲得感染症の関連を認めた。ICUサーベイランス・データを評価するにあたり、ICU施設属性を考慮する必要があると考えられた。 (環境感染 印刷中)
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Suka M, Yoshida K, Takezawa J: "Impact of intensive care unit-acquired infection on hospital mortality in Japan : a multicenter cohort study"Environmental Health and Preventive Medicine. 9巻2号. 53-57 (2004)
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[Publications] 須賀万智, 吉田勝美, 武澤純: "ICU内感染症発生による医療負担の評価"環境感染. (印刷中). (2004)
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[Publications] 須賀万智, 吉田勝美, 武澤純: "ICU施設属性とICU内獲得感染症の関係"環境感染. (印刷中). (2004)
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[Publications] Suka M, Oeda S, Ichimura T, Yoshida K, Takezawa J: "Comparison of propotional hazard model and neural network models in a real data set of intensive care unit patients."MEDINFO. (印刷中). (2004)
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[Publications] Ichimura T, Oeda S, Suka M: "A classification capability of reflective neural networks in medical databases"Knowledge Based Intelligent Information and Engineering Systems. 373-379 (2003)