2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15790311
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山本 美江子 産業医科大学, 医学部, 助手 (70320348)
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Keywords | 介護労働 / ホームヘルパー / 疲労調査 / 自覚症しらべ / 北欧 / ヒヤリハット事例分析 / 転倒予防 / 職務満足 |
Research Abstract |
平成15年度は、わが国における介護労働の現状把握及び介護労働者に対する疲労調査研究を行なった。さらに、北欧における介護労働の現状及び対策についての海外調査研究を行なった。 1.わが国における介護労働の現状:2000年に介護保険制度が開始された後、介護労働者数は急速に増加を認めており、パート労働である登録ヘルパーがその約8割を占めている。さらに、ホームヘルパーステーションは1000名以上の登録ヘルパーを有するところから50名程度の小規模ステーションまであり、産業保健対策の推進が必要との意見がステーションの責任者などより認められた。また、介護保険利用者宅である作業現場は腰痛予防対策が十分ではない現状を認めた。さらに、ホームヘルパーのヒヤリハット事例分析においては、利用者の転倒予防対策、感染症対策が必要と考えられた。 2.自記式質問票を用いての介護労働者に対しての疲労調査:ホームヘルパー約1000名に対し、日本産業衛生学会産業疲労研究会撰「自覚症しらべ」と職務満足に対する質問を加えた自記式記入票を配布し、現在回収及び分析途中である。「自覚症しらべ」については、1日の労働前後の2回記録してもらう形式としている。回収途中の結果としては、回答者であるホームヘルパーは40〜50代の女性が約8割を占め、労働によって「自覚症しらべ」における訴えの項目群のすべてにおいて上昇を認め、特に腰痛などの訴えを含めた「IV群・だるさ感」において高い終業時の増加率を認めた。 3.北欧における介護労働の現状及び対策について:北欧では介護労働に対する産業保健対策が推進されており、スウェーデン及びデンマークでは、介護職に対して、介護サービスのプランを作成する役職であるアセスメントオフィサーが介護職の労働環境整備の責任者として機能していた。また、具体的な介助や安全に対する教育が作業療法士などから実施されていた。
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