2004 Fiscal Year Annual Research Report
Crohn病患者における抗TNF‐α抗体の治療効果とTNF‐α遺伝子多型の検討
Project/Area Number |
15790352
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江崎 幹宏 九州大学, 大学病院, 助手 (50335957)
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Keywords | クローン病 / TNFレセプター / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
1.TNF receptor I(TNFRSF1A)ならびにTNF receptor II(TNFRSF1B)遺伝子多型の検討 CD179例,健常人253例を対象にTNFRSF1A(position+36 in exon 1)、TNFRSF1B(position+196 in exon 6)のSNP解析を行った。その結果、TNFRSFIAおよびTNFRSF1Bのいずれにおいても両群間で遺伝子型の頻度に差はなかった(順にp=027,p=0.96)。また、いずれの遺伝子型においてもCD患者の臨床像と相関を認めなかった。 2.中心静脈栄養療法により緩解導入されたCD例の再発に関する因子の検討 (栄養療法の緩解維持効果、TNFR遺伝子多型の検討を中心に) a)緩解導入後の栄養療法の経過を含めた臨床経過ならびに臨床像を詳細に検討できたCD132例を対象とし再発関連因子を検討した。その結果、非初発例では有意に再発のリスクが高くp=0.022,RR2.02)、狭窄型では再発のリスクが低かった(p=0.0004,RR0.29)。また、大腸病変を有さない例で再発のリスクが低い傾向にあったが(p=0.068,RR0.58)、栄養療法、サルファ剤による維持治療は再発のリスクを低下させる要因とはならなかった。 b)次に上記の遺伝子多型が検討可能であった97例について、さらに再発関連因子を検討したところ、非初発例が有意な再発危険因子(p=0.004,RR2.75)であることに変わりはなかったが、非再発危険因子として狭窄型(p=0.0002,RR0.21)に加えてTNFRI遺伝子型でallele Gを有さないこと(p=0.017,RR0.45)が挙げられた。 以上の検討から、栄養療法を中心に加療がなされているクローン病患者の再発関連因子として、臨床像に加えてTNFRSF1A遺伝子型も再発関連因子となることが示唆された。
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Research Products
(1 results)