2003 Fiscal Year Annual Research Report
変異型サイトケラチン遺伝子導入による中間径フィラメントと細胞質内凝集体の機能解析
Project/Area Number |
15790371
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
花田 慎一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30360283)
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Keywords | 中間径フィラメント / サイトケラチン / 凝集体 / タイト結合 / 接着結合 / 遺伝子導入 / GFP / ゴルジ装置 |
Research Abstract |
ヒト不死化肝細胞(OUMS29)、ヒト肝癌由来肝細胞(Huh7)、MDCK細胞、HEK293細胞に、green fluorescent protein(GFP)をtagした野生型或いは89番目のアミノ酸をアルギニンからシステインに変異させた変異型サイトケラチン(CK)18遺伝子を遺伝子導入し、CK18の細胞内分布・凝集体の有無を共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討した。その結果、変異型CK18遺伝子導入細胞では中間径フィラメント(IF)の網目状構造が消失し、細胞内凝集体が形成された。これらの細胞では、野生型CK18遺伝子導入細胞と比較し有意に細胞面積の増加がみられた。電子顕微鏡による検討では、線維性構造物で囲まれ、細胞内小器官を含有する構造物が核周囲に認められた。凝集体形成細胞において、タイト結合関連膜蛋白であるclaudin-1、occludinや接着結合関連膜蛋白であるE-cadherinではその局在は細胞辺縁にとどまっているのに対し、タイト結合関連膜裏打ち蛋白であるZO-1、7H6や、接着結合関連膜裏打ち蛋白であるbeta-catenin、IFのアンカー蛋白であるdesmoplakinは凝集体に一致して存在していた。また、細胞質内蛋白である14-3-3 zeta蛋白や、グルコース6リン酸脱本素酵素も凝集体と共在していた。さらに、凝集体形成細胞では、基底側局在E-cadherinが管腔側にも認められ、ゴルジ装置の機能異常が示唆された。
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