2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790381
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤井 応理 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50346029)
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Keywords | 心不全 / ウロテンシンII / レニン-アンジオテンシン系 |
Research Abstract |
【目的】心不全は心機能低下の終末的病態であり、その予後は不良であり高齢化する社会において心不全の病態解明とその治療法の開発が重要課題となる。慢性心不全の病態形成には、レニン-アンジオテンシン系、交感神経系等の神経体液性因子の賦活化が中心的役割を果たすと考えられているが、ウロテンシンIIについてはその詳細は未だ明らかではない。今年度(平成16年度)は心不全イヌモデルにおけるヒト-ウロテンシンIIの急性投与による心機能、血行動態、神経体液性因子の変化について検討を加えた。 【実験方法】右心室高頻度ペー2ング(270PPm/3w)心不全イヌモデルにヒト-ウロテンシンIIを静脈内単回投与し以下の項目について測定を行った。 A)ウロテンシンIIの血行動態に及ぼす影響 1)Swan-Ganzカテーテルを用い心内圧と血行動態の変化を測定した。 2)心エコーにて左室内径、壁厚、左室駆出率の変化を測定した。 B)循環血液中の神経体液性因子に及ぼす効果 血漿ANP濃度、アルドステロン濃度、血漿レニン活性をRIA法で、血漿ノルエピネフリン濃度をHPLC法で測定した。 【結果】 A)血行動態 ウロテンシン投与後動脈圧及び肺動脈圧は短時間(約10分)軽度上昇する。 心拍出量及び心エコー上左室径、壁厚、駆出率は有意な変化を認めなかった。 B)神経体液性因子 血漿アルドステロン濃度、レニン活性、ノルエピネフリン濃度はウロテンシン投与後有意に上昇した。ANPについては有意な変化を認めなかった。 【考察】 静脈内投与されたウロテンシンIIが血行動態及び心機能に与える影響は短期的には比較的軽微なものであった。これに対しウロテンシンIIはレニン活性、アルトステロン、ノルエピネフリン濃度を有意に上昇させ、心不全時にはこれらの因子を介して心不全の進展過程に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)