2003 Fiscal Year Annual Research Report
マウス心筋梗塞モデルにおける単球遊走因子およびCCケモカイン受容体の役割
Project/Area Number |
15790388
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
海北 幸一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30346978)
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Keywords | CCR2 / 心筋梗塞 / マクロファージ / リモデリング / MMPs / TIMPs / TNF-α / ゼラチン分解活性 |
Research Abstract |
CCケモカイン受容体2(CCR2)欠損マウスとWild type<WT)マウスに対し、開胸下に冠状動脈左前下行枝を結紮し、1、3、7、14、28日後に梗塞部の炎症細胞浸潤度を免疫組織化学にて検討したところ、WTマウスでは、梗塞後1週間以内にマクロファージの密な浸潤がみられたが、CCR2欠損マウスではそれらの変化が有意に抑制されていた。心臓超音波では、7、28日目に拡張期左心室内径の拡大と収縮率の増悪を認めたが、CCR2欠損マウスではそれらの変化が軽減していた。さらにリモデリングに関与するマーカーとしてMatrix metalloproteinases(MMPs)、これらの阻害因子(TIMPs)、および炎症性サイトカインTNF-αの遺伝子発現をReal-time PCRにて検討したところ、WTマウスでは、MMPs、TNF-αの発現増強とTIMP-4の発現低下を認め、梗塞後リモデリングの増悪が示唆されたが、CCR2欠損マウスではMMPs/TIMP-4のimbalanceは軽減しており、TNF-αの発現も抑制されていた。梗塞局所でのゼラチン分解活性をIn situ zymographyにて検討したところ、WTマウスでは、活性増強を示すのに対し、CCR2欠損マウスでのゼラチン分解活性は有意に抑制されていた。これらの結果より、CCR2欠損マウスでは梗塞後急性期にマクロファージ浸潤とMMPs、TNF-αの産生が抑制されることにより心筋梗塞後の組織リモデリングが軽減されることが示唆された。
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