2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流心筋障害におけるα(1B)アドレナリン受容体の関与
Project/Area Number |
15790394
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
武田 聡 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90343540)
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Keywords | 虚血再灌流 / 心筋障害 |
Research Abstract |
虚血再灌流心筋障害におけるα(1B)アドレナリン受容体の関与について、特にPreconditioningとの関連について検討することが目的であった。当初はα(1B)アドレナリン受容体ノックアウトマウスを使用してこの視点で検討を行う予定であったが、これまでに行った実験ではこのマウス摘出灌流心にてはPreconditioning効果が出にくく比較検討できずに、現在まずラット摘出灌流心にて実験を先行させている。今回の実験では長時間虚血前の短時間反復虚血によるPreconditioningにより虚血再灌流後の心機能の改善(左室収縮圧保持及び左室拡張末期圧上昇抑制)か確認され、さらに虚血中の細胞内pH低下、細胞内Na上昇、細胞内Caの上昇が抑制され、これがPreconditioningの効果と考えられた。また再灌流後の細胞内Caについても、Preconditioning群にて上昇を抑制し、良好なカルシウムトランジエントを保持する事を確認した。今後の実験計画としては、ラットにおける実験系にてまずα受容体刺激薬とα受容体阻害薬による前処置により、この心機能改善作用や細胞内イオン動態がどのように変化するかにつき検討を追加して、α(特に1B)アドレナリン受容体がどのようにPreconditioningに関与しているのかにつき、引き続き検討を続けて行く。またマウスα(1B)アドレナリン受容体ノックアウトモデルを使用した実験系でのこのPreconditioningに対する効果についても引き続き継続して検討を行って行く予定である。
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