2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルファン症候群における大動脈病変進展機序と予防:嚢状中膜変性の分子病理学的解析
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15790400
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宇都 健太 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80318071)
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Keywords | マルファン症候群 / 嚢状中膜変性 |
Research Abstract |
マルファン症候群の大動脈病変の特徴的病変として嚢状中膜変性(cystic medial degeneration : CMD)という病理学的所見があり,これまでに同症候群患者の大動脈においてミオシン重鎖アイソフォームを指標とした中膜平滑筋細胞の形質変換と平滑筋細胞アポトーシスによる細胞消失が認められること,CMD病変の組織内アンジオテンシンIIの亢進と受容体レベルでの形質変化(AT1受容体に対し相対的にAT2受容体発現が増加)について報告してきた.また動物モデルを用いて,ACE阻害薬が中膜平滑筋細胞のアポトーシスを抑制することにより解離防止に有効であることを報告した.前年度に続き大動脈の構造保持に重要である弾性線維が血行力学的負荷により若年のうちから障害され、老化血管と同様の形質としてCMDが出現するという仮説に立ち,血管壁構築を支える平滑筋細胞のアンジオテンシン受容体を含む形質変換,平滑筋細胞アポトーシスの機序を探求している途上である.方法としては,マルファン症候群患者から同意を得て手術時に採取された大動脈検体を用いて,PPARγ発現とそれによる影響を受ける可能性のあるAT1・AT2受容体、CD36,iNOS, TNF-αの発現をRT-PCRおよび免疫染色を用いて検討している.さらに核蛋白を抽出しAT1プロモーターに対するPPARγ結合をgel shift assayを用いて検討している.また患者より同意を得た上で手術時に採取された大動脈検体を用いて器官培養を行う段階で,これを用いPPAR_Yリガンドとして15-deoxy-12,14delta-prostaglandinJ2(15d-PGJ2),pioglitazone, EPAを用いて培養し,CD36発現,AT1・AT2受容体発現の変化,細胞アポトーシス(TUNEL, Ladder)につき検討している.
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