2003 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞の分化に関わる遺伝子の同定と分化誘導への応用
Project/Area Number |
15790404
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
尾野 亘 国立循環器病センター研究所, 疫学部, 室長 (00359275)
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Keywords | レトロウイルス / 遺伝子 / 分化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、心筋細胞分化に必要な遺伝子の同定とその遺伝子の役割の解明、さらに効率的な分化誘導法の開発をめざすことである。 申請者は、レトロウイルスを用いてランダムに遺伝子を変異させ、その遺伝子変異によって生じた細胞の機能変化をもとに遺伝子クローニングを行う方法を開発した。レトロウイルスはゲノムに対してほぼランダムに遺伝子挿入を起こすが、我々はレトロウイルスベクターを改良することで、高率に内在性遺伝子の存在する部位に薬剤耐性遺伝子が挿入されたクローンを選択することを可能とした。 まず、ES細胞(h17)に、このレトロウイルスに感染させ、ランダムに遺伝子を破壊し、その結果、hanging dropによってembryoid bodyの形成率の低いクローンを選別した。機能が未知の遺伝子を含めて、8つの遭伝子が得られた。これらの遺伝子の中で、遺伝子を破壊した細胞に導入した結果、embryoid bodyの形成率が上昇した遺伝子の1つはMAD(mothers against decapentaplegic homolog interacting protein)であった。 また、同様にα-myosin heavy chain promoterおよびNkx2.5 promoter下にEGFPを挿入したマウスES細胞に対しても上記のレトロウイルスを用いて、遭伝子を破壊し、embryoid body形成後にGFPの発現が低下したクローンを選別したところ、AP1 gamma subunit binding protein1、CD79A antigenが得られた。 今後上記で得られた遺伝子の詳細な機能を明らかにする。さらに候補となる遺伝子数を増やすとともに、心筋細胞に分化誘導できるP19CL6細胞や他の細胞系に対する遺伝子導入の効果も検討する。
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