2004 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性呼吸器疾患発症における自然免疫関連分子(MBL)の関与に関する研究
Project/Area Number |
15790416
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 純平 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50332929)
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Keywords | MBL / 呼吸機能検査 / 呼気NO / ATS-DLD / IgE / サイトカイン / アレルギー性呼吸器疾患 |
Research Abstract |
10〜12歳の小学生539人を対象にしたATS-DLDアンケート調査のうち、呼吸機能検査・呼気NO・血液検査を施行した483人に対して以下の項目を検討した. 1.血清の測定 得られた血清(483検体)でMBL濃度・非特異的IgE・特異的IgE(ダニ、スギ、ネコ、カビ)・血中サイトカイン(IL5・TARC・Eotaxin)の測定を行った.なお、血中サイトカインに関しては235検体に対して行った. 2.データ解析結果 (1)MBL濃度とアレルギー性呼吸器疾患との関連についての解析 測定したMBL値とアレルギー性呼吸器疾患と関連ある検査項目の呼吸機能(努力性肺活量・一秒量の%予測値)呼気NO・非特異的IgE・特異的IgE・血中サイトカインの間の関係を検討した.結果は、MBL値とこれらパラメーターとの間に有意な相関は認められなかった. (2)MBLの抗原感作に与える影響についての解析 非特異的IgE≧250IU/mlまたは特異的IgE(ダニ・ネコ・スギ・カビ)≧0.69UA/mlを陽性(感作あり)として、MBLがIgE感作に及ぼす影響について解析したところ、MBLが高いとカビIgEに感作されやすいことがわかった(t=3.94, p<0.001). (3)MBL値と既往疾患(肺炎・気管支炎・蓄膿症・中耳炎)・易感染性・自覚症状(咳・痰・喘鳴・呼吸困難感)・環境要因(母乳栄養・受動喫煙・絨毯の有無・室内換気の有無・ペット飼育)の間の関係についての解析 MBLと既往疾患・自覚症状・環境要因の内の母乳栄養・受動喫煙・絨毯・室内換気・ペット飼育の有無の間に関連はなかった。但し、易感染性児童のみ(風邪を引きやすい児童)、MBLは有意に低値を示した(t=2.10, p=0.04). 3.結論 MBLはカビの感作と関連があり、アレルギー疾患発症に対して自然免疫が関与している可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)