2003 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス蛋白ORP150の急性肺傷害における関与の解明
Project/Area Number |
15790421
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
栗林 康造 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50351804)
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Keywords | ORP150(150kd Oxyden-regulated protein) / LPS(Lipopolysaccharide) / ORP150 transgenic(TG)mice / 免疫組織化学染色 / Western blotting法 / TUNEL染色 / cytokeratin / Apoptosis |
Research Abstract |
(自的)ORP150(150kd Oxygen-regulated protein)は種々の小胞体ストレスで発現する分子シャペロンであり,小胞体ストレスに対し,cytoprotective作用を有することが知られている。今回,我々はLPS惹起急性肺傷害マウスモデルを用い,in vivoにおけるORP150の効果について検討した。 (方法)ORP150 transgenic (TG) mice及びwild type (WT) littermate (18-20g)に対し,LPS (20mg/kg)及びsalineを経静脈的に投与した。24時間後に肺を摘出し,LPS投与後の肺傷害を(1)病理組織学的所見(H-E染色,TUNEL染色),(2)BALF中のLDH,総蛋白濃度,(3)肺組織中のMPO活性にて評価した。さらに,ORP150の発現を免疫組織化学染色,Western blotting法にて検討した。 (結果)(1)LPS投与後のWT miceでみられた肺傷害(肺胞壁の肥厚,炎症細胞浸潤等)はTG miceで軽減した。 (2)LPS投与後のWT miceでみられたBALF中のtotal protein及びLDH活性の上昇はTG miceで有意に抑制された。 (3)LPS投与後のWT miceでみられたMPO活性の上昇もTG miceにて有意に抑制された。 (4)免疫組織化学染色ではsaline投与群と比較し,LPS投与後の肺組織にてORP150の発現増強を肺胞壁細胞に認め,TG miceではさらに強度の発現を肺胞壁細胞に認めた。 (5)ORP150の発現を同定するために施行した上皮細胞のmarkerであるcytokeratinとの蛍光二重染色にてORP150の大部分が肺胞上皮細胞に発現していることを同定した。 (6)Western blotting時でもLPS投与にてORP150の発現増強を認めた (7)TUNEL染色ではLPS投与後のWT miceにてTUNEL陽性細胞の増加を認めたものの,TG miceにては軽減した。 (結論)(1)ORP150はLPS投与にて肺胞上皮細胞に発現する。 (2)ORP150はLPS投与による肺傷害を軽減する可能性を有し、その機序の一つとして肺胞上皮細胞に対する抗アポトーシス作用が示唆され、現在更に詳細な機序について検討中である。
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