2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来細胞による糸球体再構築機序の解明とその臨床応用への試み
Project/Area Number |
15790436
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
今澤 俊之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80348276)
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Keywords | 糸球体修復 / 糸球体再構築 / 幹細胞 / 骨髄 / IgA腎症 / 糖尿病性腎症 / プロテオーム解析 / 腎再生 |
Research Abstract |
期間中、IgA腎症モデルマウスにGFPトランスジェニックマウスの骨髄を移植したキメラマウスの解析を詳細に行った。同週齢のIgA腎症マウスに比し血中IgAは低下し、糸球体IgA沈着は軽減した。また、骨髄移植後に骨髄由来の糸球体細胞でより多く再構築されている糸球体ほどIgA沈着は軽減した。このことは免疫系の再構築後に、糸球体再構築がより早く的確に行われれば、糸球体修復は促進することを示す(投稿中)。次に骨髄由来幹細胞で糸球体再構築を促進させるためには、まず障害組織を取り除き再構築される場を作らなければならない。そこで第一段階としてIgA腎症マウスにハブ毒を投与した。その結果沈着したIgAは一度消失したが、その後、再び沈着した。ここでは免疫系を再構築しておらず、糸球体再構築とともに再びIgAが沈着したが、ハブ毒により障害された糸球体組織を除去し、再構築の場を提供できることを確認した(下記論文発表済み)。糖尿病性腎症では増加したメサンギウム基質は糖化を受け分解されにくく再構築に障壁があるため、血糖正常化の後も糸球体病変が改善しづらいと考えられる。このことを確認するため、ラット糖尿病性腎症を作成中であり、今後この腎臓をGFPトランスジェニックラット(正常血糖)に移植し、その後ハブ毒を投与し障害組織を取り除き、糸球体再構築を正常血糖下において行わせる。本年度はラット腎移植法の習得も志した。またハブ毒投与後の糸球体再構築時に骨髄細胞を投与し、再構築に参画するか検討したが、残念ながら骨髄移植後とは異なり外来投与した骨髄は糸球体再構築には全く参画しなかった(印刷中)。そこで糸球体内に幹細胞が誘導される機序を解析するため、正常マウスもしくは腎炎誘導マウスから単離した糸球体と、骨髄を共培養した後、骨髄細胞から膜蛋白を抽出しリン酸化を受けている蛋白のプロテオーム解析を始めるべく諸準備を行った。
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Research Products
(2 results)