2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いた破骨細胞の骨代謝機能におけるMAPキナーゼの生理的役割
Project/Area Number |
15790469
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松本 征仁 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90321819)
|
Keywords | 破骨細胞 / p38MAPキナーゼ / RANKL / NFATc1 / 転写因子 |
Research Abstract |
破骨細胞の分化と機能は、インターフェロン(IFN)などのさまざまなサイトカインにより制御されており、主に破骨細胞分化誘導因子であるRANKLが転写因子を介したシグナル伝達経路により標的となる破骨細胞マーカー遺伝子群の発現を誘導する。代表的な破骨細胞マーカーであるカテプシンKは分化初期から成熟型に至る破骨細胞において高発現しており、これまでに私共はp38が破骨細胞の分化に必須であることを明らかにしている。しかしながら、p38を介した破骨細胞分化ならびにRANKLによるカテプシンK発現の分子機構ついては多くの不明な点が残されている。 RANKLによって誘導されるカテプシンK遺伝子の発現を指標にp38の標的を追究した結果、p38がカテプシンK遺伝子の発現に必須であること、さらにNFATc1がその有力な候補因子であることを見出した。NFATc1は転写因子NFATファミリーメンバーで破骨細胞分化に必須である。p38とNFATc1との相関について検討を行った結果、p38とNFATc1との会合がp38の活性化により増強すること、さらにp38がNFATを直接リン酸化することが判明した。実際、マウス破骨細胞培養系においてp38とNFATc1が核内に局在することが観察され、カテプシンK遺伝子上流のNFAT結合部位に対するNFATc1の特異的なDNA結合活性を認めるとともに、RAW264細胞においてNFATc1はp38の活性化によりカテプシンKプロモーターの活性をPU.1と相乗的に上昇させた。従ってこれらの結果、p38経路を介したNFATc1などの転写因子群の相互の協調的な働きによってカテプシンKが効率的な発現誘導されることで破骨細胞のダイナミックな骨吸収に寄与していると考えられる。 さらに、IFN制御因子(IRF-1)が転写活性化因子としてRANKLを誘導するサイトカインIL-12遺伝子であるp40遺伝子の発現に寄与することなどを証明した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Maruyama S, Sumita K, Matsumoto M.(他6名): "Identification of IFN Regulatory Factor-1 Binding Site in IL-12 p40 Gene Promoter."J.Immunol.. 170・2. 997-1001 (2003)
-
[Publications] FukudaA, Tokonabe S, Hamada M, Matsumoto, M., Tsukui T, Nogi Y, Hisatake K: "Alleviation of PC4-mediated Transcriptional Repression by the ERCC3 Helicase Activity of General Transcription Factor TFIIH."J.Biol.Chem.. 278・17. 14827-14831 (2003)
-
[Publications] Nakagawa K, Hisatake K, Matsumoto, M., Ishihama A., Nogi, Y.(他2名): "The fisson yeast RPA51 is a functional homolog of the buding yeast A49 subunit of RNA polymerase I and required for maimizing transcription of ribosomal DNA."Genes Genet.Syst.. 78. 199-209 (2003)