2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症および腎症の発症・進展と分泌型可溶性AGE受容体タンパクの存在意義
Project/Area Number |
15790474
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大澤 真里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80349654)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / esRAGE / AGE / 尿中アルブミン / HbAlc |
Research Abstract |
終末糖化産物(Advanced glycation endproducts, AGE)は、タンパク質が非酵素的に糖化・修飾されることによって生ずる分子の総称である。代表的なものは、HbAlcやグルコアルブミンで血糖コントロール指標として有益である。AGEは、直接タンパクが修飾を受けることによってそのタンパクの機能が果たせなくなる直接的な関与と、受容体(RAGE)がAGEと結合することによって引き続いておこってくる事象によって、生体内の、主に血管組織でもろもろのことがおこると考えられている。つまり、糖尿病性血管合併症の病態をおこしてくることが強く示唆されている。RAGEタンパクのうち、esRAGEはデコイ受容体として血管障害に対して保護的に働いている可能性がある。今回、硝子体中のesRAGEを測定し、糖尿病網膜症との関わりを検討した。 【目的】デコイ型受容体、内在性分泌型RAGE (endogenous secretoryr eceptor for advanced glycation endproducts、esRAGE)と糖尿病網膜症との相関を検討した。【対象と方法】硝子体手術目的で入院した33例(男性20例、女性13例、平均年齢53±14歳、糖尿病型1型4例、2型29例)の血中及び硝子体中esRAGEをEUSA法で測定した。【結果】血中と硝子体中esRAGEは有意な正相関(r=0.497、p=0.005)を示した。両者は罹病期間、HbAlc、BMI、血圧、血清Cr、脂質とは相関を認めず、尿中アルブミンとはそれぞれ強い正相関(p<0.001、p<0.0005)を認め、網膜症増殖網膜症では単純網膜症より高値であった(p<0.14、p<0.05)。【結語】網膜血管障害に伴って硝子体中esRAGEが上昇し、機能的役割を担っている可能性が推定された。
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