2003 Fiscal Year Annual Research Report
膵島再生因子の同定-膵島移植への臨床応用に向けて-
Project/Area Number |
15790476
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
勝田 仁 九州大学, 医学部, 助手 (50333240)
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Keywords | 膵島再生 |
Research Abstract |
1.膵島再生モデルとして部分膵切除マウスを作製した。 (1)膵切除後60日目には,、残存膵島が代償性に肥大し、糖負荷試験にて耐糖能の改善が認められた。 (2)膵切除後14日目には、膵島内のPCNA陽性膵β細胞が増加しており、膵β細胞の増殖の亢進が認められ、さらに膵管には、Insulin、PP、Reg陽性細胞が出現しており、膵島の新生が示唆された。 2.部分膵切除マウスの肥大膵島組織を、Leser Microdissection法を用いて選択的に回収し、DNAマイクロアレイ法にて発現遺伝子解析を行った。 (1)膵切除マウス肥大膵島で、正常膵島に比べ、発現量が2倍以上増加した遺伝子は、18遺伝子(全1176遺伝子中)で、2分の1以下に減少した遺伝子は、13遺伝子であった。 (2)SPF遺伝子は、膵切除マウスの肥大膵島にて8.8倍の発現増加が認められた。 (3)AR42J細胞は、Activin AおよびHGFにてインスリン産生細胞へ、Dexamethazoneにてアミラーゼ産生の増加が認められるが、SPFは、AR42J細胞がインスリン産生細胞へ分化する際に、特異的に発現の増加が認められた。 まとめ 部分膵切除マウスは、膵島細胞がインスリン分泌能およびグルコース応答性を保ちながら再生増殖する優れた実験モデルであることが明らかとなった。 部分膵切除マウスにおいて膵島が再生する際には、種々の遺伝子発現の増減が確認された。それらの遺伝子の中でSPFは、膵島再生に関与する可能性が示唆された。
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