2004 Fiscal Year Annual Research Report
接着分子の多型部位を含むマイナー組織適合抗原の同定
Project/Area Number |
15790490
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高見 昭良 金沢大学, 医学部付属病院, 助手 (80324078)
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Keywords | 同種造血幹細胞移植 / 白血病 / 多型ペプチド / CD62L / 細胞傷害性T細胞 / 移植片対宿主病 / 同種免疫効果 / HLA-A^*2402 |
Research Abstract |
同種移植後白血病再発に対する治療成績は著しく不良であり、特に移植後の早期再発例の場合、再寛解導入療法や再移植時の移植関連毒性自体に耐えられないことも多い。そこで、白血病細胞が優位に発現する多型ペプチドを同定し、これを抗原として認識・攻撃するドナー由来の細胞傷害性T細胞を輸注すれば、安全かつ強力な抗白血病効果が誘導できるはずである。本研究では、このような接着分子由来の多型ペプチドを決定し、難治性白血病に対する特異的同種免疫療法を行うことを最終目標とした。臨床的な検討から、CD31やCD62Lといった接着分子に由来する多型ペプチドが、アジア人種においても白血病に対する同種免疫効果の標的抗原として機能する可能性を明らかにした。そこで、CD62Lの多型部位(codon213)を含むペプチドに特異的なT細胞が、移植後患者の流血中に存在するか否かを検討した。HLA-A*2402分子への親和性を考慮し、CD62L多型部位を含む9アミノ酸(P型,S型各9種類)を全て合成した。GVHD方向の不適合例からGVHD発症時に末梢血リンパ球を採取し、各ペプチドに対する反応性をgamma-interferon (IFN)の産生能を指標に検討した。その結果、一部のペプチドに関して、高い細胞傷害活性の誘導が可能であった。これらのペプチドを用いてドナーリンパ球を繰り返し刺激したところ、一部のペプチドに関して、ペプチド特異的細胞傷害性T細胞が樹立できた。以上から、CD62Lペプチドは、生体内で強力な同種抗白血病効果を誘導する理想的な多型ペプチドである可能性が考えられた。
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