2003 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の未分化性維持と分化におけるインターロイキン3レセプター発現の意義
Project/Area Number |
15790525
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
出口 隆生 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70345990)
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Keywords | 造血幹細胞 / インターロイキン3 / IL-3R |
Research Abstract |
1.マウス造血幹細胞の分離および培養条件の至適化 10〜12週齢のC57BL/6-Ly5.1マウスの大腿骨及び脛骨から骨髄細胞を分離、比重遠心法で単核細胞を分離し、その単核細胞をGr-1,Mac-1,CD4,CD8,B220,TER-119に対する抗体と反応後、磁気ビーズ法で除去処理し、分化抗原陰性細胞(Lin^-)を得た。その細胞をCD34,Sca-1,c-kitの各蛍光抗体で染色し、Becton-Dickinson社製FACS VantageセルソーターでCD34陰性(正常骨髄)あるいはCD34陽性(5-FU処理後骨髄)c-kit陽性Sca-1陽性分化抗原陰性(KSL)細胞を分離し、SCF/IL-11±IL-3の存在下で3〜7日間培養した。ソーティングの操作は清潔操作が保たれ、細菌の混入を認めない安定した培養が行なえた。 2.致死量放射線マウスを用いた同系移植の実施 9.5Gyの放射線照射を行った10〜14週齢のC57BL/6-Ly5.2マウスに上記培養細胞を、放射線照射による死を防ぐための必要最低量のレシピエントタイプ(Ly5.2)の骨髄細胞と同時に移植した。移植後2週間の抗生剤投与でほとんどのマウスは死を免れ、移植系を確立し得た。 3.移植マウスの末梢血を用いた生着率の解析 移植後のマウスの眼窩静脈叢より末梢血を採取し、塩化アンモニウム溶液にて赤血球を溶血後、ドナータイプ抗原(CD45.1)と各種分化抗原(Gr-1/Mac-1,Thy1.2,B220)で染色し、ドナー由来細胞比率をフローサイトメトリーで解析した。各々のマウスの生着率の解析を行なったが、予想されたようにIL-3添加群では、血清添加・無血清いずれの培地も低い生着率であった。今後移植細胞の内容を変え、より詳細なIL-3の影響を調べる予定である。 4.IL-3RのmRNA発現に関しては、既知のプライマーを用いてまずSYBRGreen法でPCRの至適条件を設定中である。
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