2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児悪性腫瘍におけるSPINDLE CHECKPOINT異常と予後との関連性
Project/Area Number |
15790531
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡田 雅彦 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50359957)
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Keywords | 小児悪性腫瘍 / Aneuploidy / spindle checkpoint / MAD1 / MAD2 |
Research Abstract |
研究開始から現在まで当院小児科に8名の新規悪性腫瘍患児が入院した。全例に検体検査の同意を得て腫瘍組織の染色体検査をおこない、うち2例に染色体異常(Hyperdiploid)が認められた。この2例は体細胞染色体に異常が認められなかったため、腫瘍特異的異常であった。全例の腫瘍組織に対して各種抗癌剤投与におけるアポトーシスの誘導をMTT assayにて測定した。現時点ではploidyと抗癌感受性とは明らかな相関を見ていない。これは症例数の問題と悪性腫瘍の種類の多彩性によると思われ、さらなる症例の蓄積、特に同一疾患における染色体正常腫瘍と異常腫瘍の蓄積が望まれる。 次に腫瘍組織におけるMAD1、MAD2遺伝子の発現を検討中である。予備実験として細胞株HeLa細胞のMAD1、MAD2蛋白の発現を細胞周期別にWestern blottingで解析した。これによりMAD1とMAD2蛋白は全細胞周期にほぼ偏りなく発現していることが判明した。さらに細胞質蛋白と核内蛋白とを分離調整しそれぞれの発現を解析したところ、MAD1は主に核内に存在しMAD2は核内・細胞質ともに存在することが示された。さらに生細胞におけるこれらの蛋白の細胞局在を解析するために免疫染色をおこなった。結果としてWestern blottingの解析結果と同様の現症が得られた。次にMAD2の機能を研究するためにMAD2のDeletion mutantsを作製し、その細胞内局在を調べたところ、C末端の9アミノ酸を欠失した変異MAD2は正常MAD2と異なり細胞質のみに局在した。また免疫沈降法によってMAD1とMAD2の結合を解析したところMAD1とMAD2は結合するものの、MAD1と変異MAD2は結合することができなかった。これよりMAD2蛋白はC末端部にMAD1との結合ドメインを持つことが示された。MAD2の発現低下はspindle checkpointを抑制することがすでに判明している。MAD2の変異はPloidyの変化ひいては癌化と密接に関係していると思われ、各腫瘍組織におけるMAD1、MAD2の解析をおこなっていく。
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