2004 Fiscal Year Annual Research Report
未分化大細胞性リンパ腫細胞の増殖・細胞死に関与する因子の解析
Project/Area Number |
15790540
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 鉄也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50245544)
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Keywords | ALCL / ALK / relapse / Ras |
Research Abstract |
未分化大細胞性リンパ腫(anaplastic large cell lymphoma:以下ALCL)細胞の増殖・細胞死に関与する因子を明らかにし、その知見に基づき、ALCL治療における分子標的療法など新規治療法の確立を最終目標として検討を行っている。本年度の実績は以下である。(1)治療抵抗性ALCLの特徴を検出するため、国内の再発小児ALCLの臨床像、病理像に関する後方視的調査・解析を行った。早期再発例の予後が不良である傾向を認めた。第2寛解期に同種造血幹細胞移植が行われた例の予後は、化学療法のみ・自家造血幹細胞移植例と比較し良好であった。対象症例の一部の病理診断情報は不十分なものであり、病理組織と予後の関連の評価は困難であった。(第66回日本血液学会、第46回日本小児血液学会:投稿準備中)(2)骨粗鬆症などの治療に用いられるbisphosphonate製剤であるZoledronic acidは細胞内刺激伝達分子であるRasの活性を阻害し、一部の腫瘍の増殖を抑制することが報告されている。ALCL細胞においては染色体転座により活性化したチロシンキナーゼALK(anaplastic lymphoma kinase)がRasの活性化に関与する。そこでALCL細胞株Karpas299、SU-DHL-1に対するZoledronic acidの効果を検討した。培地にZoledronic acidを添加し抗腫瘍効果を観察したが、培養細胞に対する増殖抑制、アポトーシス誘導は明らかでなかった。
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