2003 Fiscal Year Annual Research Report
早期産児の肺炎予防に対するラクトフェリンの有用性に関する基礎的検討
Project/Area Number |
15790558
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栗原 伸芳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40317178)
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Keywords | 早期産児 / ラクトフェリン / 肺炎 |
Research Abstract |
今年度はまず、実験の手法を確立するため、4週齢以上のICRマウスを用い、(1)挿管針による経口的気管内挿管、(2)挿管針からの経気道的色素注入、(3)吸入麻酔下の気管支肺胞洗浄液の採取、を試みた。その結果、1回投与量を50μl以下であれば90-95%の確率で経口的に色素を気道内に注入できることが明らかになった。また、吸入麻酔下の気管支肺胞洗浄液の採取も、採取後直ちに100%酸素を投与すればマウスを確実にレスキューすることができた。 その後、色素注入の手技と同様に、まず緑膿菌の経気道投与を試みた。最初に、投与する至適菌量を決定するため、1x10_4 colony-forming units (CFU)から1x10_8 CFUの菌を使用した。約24時間後、肺を摘出しそのホモジェネートの菌定量を行ったところ、予想通り菌の増殖が認められた。24時間後のマウスの症状、肺ホモジェネートの菌数などを考慮し、以降の実験には、1x10_6 CFUの菌量を使用することとした。 次に、ラクトフェリンを緑膿菌投与前約1-2時間前、約6時間前に投与して肺ホモジェネートの菌定量を行った。残念ながら、実験回数が少なかったこともあってか、統計的な有意差を認めなかった。また、同様に脾臓のホモジェネートについても統計的な有意差を認めなかった。 以上のような成績さあったため、マウスの種類の変更(FVB/Nマウスなど)、投与する菌量、ラクトフェリン投与と菌投与の間隔の変更などを計画していたが、出張のため実験を中断せざるを得なかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Mori K, Matsuzaki Y, Kurihara N, Tokieda T, Ikeda K, Tanaka T: "INTRAUTERINE EXPRESSION OF KL-6 DURING MID-TRIMESTER, COMPARED WITH THE EXPRESSION OF SURFACTANT PROTEINS"Pediatr Res. 53・4. 435A (2003)