2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫の浸潤転移におけるケモカインおよびメタロプロテアーゼの役割
Project/Area Number |
15790567
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門野 岳史 東京大学, 医学部附属病院, 助手(特任講師) (80292910)
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Keywords | 悪性黒色腫 / ケモカイン / CCR7 / CCL17 |
Research Abstract |
腫瘍の転移にCCR7などのhomeostatic chemokineのレセプターの関与が想定されている。またその一方腫瘍免疫に関わる血球細胞を病変部異に誘導するのにもケモカインが深く関与している。悪性黒色腫由来培養細胞を用いてRT-PCRを行った結果ではCCR7、CXCR4の発現は共にlymph node metastasis由来若しくはvisceral metastasis由来の細胞株優位であり、非転移巣由来細胞株には殆ど見られなかった。以上より悪性黒色腫の転移に関して、CCR7およびCXCR4が関与する可能性が示唆された。更にwesternblottingを行ったところRT-PCRと一致する結果が得られた。また、実際にこれら細胞に発現するケモカインがfunctionalであるかどうかを調べるため、transmigration assayを行った。CCR7についてはfunctionalであることが分かったが、CXCR4については依然検討中である。また、本年は腫瘍免疫に関わるという意味で血球細胞側のケモカインに関しても検討を行った。皮膚への血球細胞を誘導するケモカインとしてCCL17がよく知られている。我々はK14プロモーターを用いたCCL17トランスジェニックマウスを作成した。このマウスに対してB16悪性黒色腫細胞を皮下に注射したところコントロール群と比較して腫瘍の成長が遅れる傾向がみられたが、これについては更に例数を増やして検討する予定である。
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