2003 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚ランゲルハンス細胞における抗原提示能制御分子の解析
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15790568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 孝宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30280960)
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Keywords | ランゲルハンス細胞 / 抗原提示 |
Research Abstract |
ランゲルハンス細胞(Langerhans cells ; LC)は成熟および未成熟といった2つの異なった分化状態をとることが知られているが、グラム陰性菌の細胞膜成分であるlipopolysaccharide(LPS)、単球調整培養液、およびtumor necrosis factor(TNF)-αなどの刺激によってLCの成熟は促進される。最初にマウスの表皮より95%以上の純度でLCを分離・精製したのち24ないしは48時間培養し、LPSを添加したLCとそうでないLCとの間でrepresentative differential analysis(RDA)を用い発現量が大きく変化する遺伝子のスクリーニングを行った。5倍以上の発現の変化がみられた遺伝子は約100個であったが、その中には未成熟LCのマーカーであるCD1a、成熟LCで発現が増強するCD80やCD86も含まれていたので解析の結果は信頼できると考えられる。その中でimplantation-related RGS2-like protein(AF432916)およびBC006707に着目し、現在これらの遺伝子のクローニングを行っている。次の段階ではマウスのマクロファージのcell lineであるRAW264およびJ774.A1においてこれらの遺伝子を発現させる予定であり、発現ベクターの作製も同時に行っている。またそれとは別に、RAW264に遺伝子を導入させる際の条件についても検討を行った。発現ベクターにまずEGFPを挿入しFuGeneを用いてトランスフェクトを行ったところ、EGFPの導入効率はわずか5%であったが、G418添加で2週間選別を行ったところ30%の細胞でEGFPの強い発現が確認された。従って、今後はこの系を用いて任意の遺伝子を発現させ、マクロファージにおける抗原提示能の変化を解析することが可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watanabe T, Sugaya M, Atkins AM, Aquilino EA, Yang A, Borris DL, et al.: "Kaposi's sarcoma-associated herpesvirus latency-associated nuclear antigen prolongs the life span of primary human umbilical vein endothelial cells."Journal of Virology. 77. 6188 (2003)
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[Publications] Mitsui H, Watanabe T, Saeki H, Mori K, Fujita H, Tada Y, et al.: "Differential expression and function of Toll-like receptors in Langerhans cells : comparison with splenic dendritic cells."Journal of Investigative Dermatology. (in press).
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[Publications] Tada Y, Asahina A, Fujita H, Mitsui H, Torii H, Watanabe T, et al.: "Differential effects of LPS and TGF-β on the production of IL-6 and IL-12 by Langerhans cells, splenic dendritic cells, and macrophages."Cytokine. (in press).