2003 Fiscal Year Annual Research Report
黄色人種とCaucasianのチロシナーゼ遺伝子多型の人類遺伝学的解析による比較
Project/Area Number |
15790574
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 真一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (90324417)
|
Keywords | チロシナーゼ / 遺伝子多型 / 白皮症 |
Research Abstract |
我々はすでに日本人の健常人109人を対象にチロシナーゼ遺伝子コード配列及びプロモーター配列を解析し、正常人109人のチロシナーゼデータベースを作成した。本研究ではインド人の健常人103人を対象にチロシナーゼ遺伝子のエクソン、エクソン周辺及びプロモーターの全配列を解析し、チロシナーゼ遺伝子配列データベースを作成する。さらに特定の多型と皮膚の色、網膜色素の沈着度の間に関連があるかどうか、考察を行うものである。インド人健常者103人から抽出したgenomic DNAをI.C.Verma博士のご好意により入手し、保持している。平成15年度は集めたDNAを用いて、PCRによりチロシナーゼの各エクソン、エクソン近傍及びプロモータ配列をそれぞれ増幅精製した後、名古屋大学共通機器センターに設置されているBeckman Coulter社のCEQ2000XLを用いてDNAの配列を決定した。 その結果、日本人集団のtyrosinase遺伝子のプロモーター領域-317に,およびイントロン2のIV2-21ins.Tに日本人集団特有のpolymorphismが見い出された。一方イントロン2にIV2+24ins.T,のインド人集団に特有のpolymorphismが認められた。またプロモーター領域-199には両集団共にpolymorphismが認められた。さらにExon 1の-5,269,575,Exon 4の1205,Exon 5の1379にはインド人集団に特有のpolymorphismが、Exon 1の133,373,Exon 3の1167,には日本人集団特有のpolymorphismが見い出された。 これらの結果は2つの集団における新たなtyrosinaseの病的な遺伝子変異の判定に役立つ。
|
-
[Publications] 八代 浩, 他: "苺状血管腫に対する早期ドライアイス療法"皮膚臨床. 45. 1637-1639 (2003)
-
[Publications] 森田 有紀子, 他: "センチネルリンパ節生検を実施した下口唇有棘細胞癌の一例"臨床皮膚. 57. 1015-1017 (2003)
-
[Publications] 柴田 真一, 他: "Dermoscopyを用いた悪性黒色腫と基底細胞癌の鑑別"日皮会誌. 113. 37-42 (2003)
-
[Publications] 星野 慶, 他: "毛細血管拡張性肉芽腫と思われた悪性黒色腫"皮膚病診療. 増2. 41-44 (2003)