2004 Fiscal Year Annual Research Report
BMP/TGFβファミリー分子の毛包の発生および毛周期に果たす役割
Project/Area Number |
15790576
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 元信 京都大学, 医学研究科, 助手 (30303837)
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Keywords | BMP-4 / ノギン / TGF-β / 毛包 / 発生 / 再生 / 毛周期 |
Research Abstract |
BMP/TGFβファミリーであるBMP-4とその阻害分子であるノギンの毛周期のコントロールにおける役割を明らかにするため、以下の実験を行った。 1.BMP-4、ノギン、BMP-RIAの毛周期における発現量の変化を検討するために、休止期、成長期早期、成長期後期のこれら分子の半定量的RT-PCRを行った。 2.BMP-4、ノギン、BMP-RIAの毛周期における発現部位、発現量の変化を検討するために、休止期、成長期早期、成長期後期のこれら分子の免疫組織化学ならびにin situ hybridizationを行った。 3.ノギンをビーズに吸着させた後、毛周期が休止期にあるマウスに投与し、休止期から成長期への移行に対する効果を観察した。 4.BMP-4を、毛周期が休止期にあるマウスに皮下注射し、休止期から成長期への移行に対する効果を観察した。 これらの実験の結果、ノギンは毛周期において成長期早期から成長期後期に有意に発現量が増加するのに対し、BMP-4は休止期から成長期早期にかけて発現量が低下する。ノギンを毛周期が休止期にあるマウスに投与すると、成長期への移行が促進されるのに対し、BMP-4を、毛周期が休止期にあるマウスに皮下注射すると、成長期への移行が抑制された。これらの結果、成長期への移行をする抑制ノギンBMP-4を脱抑制することにより、休止期から成長期への移行を促進すると考えられた。このようなBMP-4とその阻害分子であるノギンの毛周期における役割を明らかにすることにより、毛周期のコントロールのメカニズムをより明確にすることができ、脱毛症の病態解明ならびに新たな脱毛症の再生治療の開発に大きな意義があると思う。
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Research Products
(5 results)