2004 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍における転写因子Stat3の役割とその活性化経路の解析
Project/Area Number |
15790578
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
尾藤 利憲 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (50324918)
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Keywords | Stat3 / Squamous cell carcinoma / RNAi / nude mouse |
Research Abstract |
Stat3の恒常的活性を確認した皮膚有棘細胞癌及び悪性黒色腫を標的として、Stat3特異的阻害を行うStat3 RNAiを用いて、Stat3の癌細胞における役割を検討した。その結果、Stat3の発現を阻害することで細胞成長の抑制が生じた。しかし、個別細胞死(apoptosis)をフローサイトメトリーにて検討したところ、apoptosisのある程度の増加は見られたが、短期間において劇的なapoptosisの誘導は認められなかった。Stat3により転写制御を受ける遺伝子やその関連遺伝子の発現についても同時に調査したところ、細胞増殖関連遺伝子の発現の抑制は観察されたが、apoptosis制御遺伝子に関してはあまり影響が見られず、ヒト皮膚有棘細胞癌においてはStat3活性阻害が細胞の増殖抑制を起こすが、細胞死にはStat3阻害だけでは不十分な可能性が考えられた。Stat3 RNAiのプラスミド導入に成功した有棘細胞癌細胞系列を獲得できたので、Stat3阻害により影響を受けるapoptosis関連因子を調査したところ、apoptosisの誘導を抑制する遺伝子の蛋白活性が残存していることが確認され、apoptosisのさらなる導入効率の増加ついてはStat3の抑制だけでは不十分な可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)