2003 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン受容体のアロマテース及びステロイドによる動態制御
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15790624
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳井 章江 山口大学, 医学部, 助手 (20284854)
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Keywords | セロトニン / セロトニンレセプター / グルココルチコイドレセプター / エストロゲンレセプター / エストラジオール / コルチコステロン / うつ病 / ストレス |
Research Abstract |
1.セロトニンとステロイドホルモンレセプターの共存関係の解析 1)海馬CA1領域に注目し、免疫組織化学法を用いて、エストラジオール(E2)とコルチコステロン(CS)の副腎摘出術(ADX)、生殖腺摘出術(GDX)後の雌雄成獣ラットの脳中グルココルチゴイドレセプター(GR)に対する生殖腺および副腎ステロイドの影響を調べた。ADX群の雄ラットでは、海馬の核内GRが減少し細胞質へ移行したが、雌ラットでは、核内に残存していた。GDX+ADX群雌のGRは、GDX+ADX群の雄と同様に、核及び細胞質に散在して発現しており,これら細胞質のGRは、CSにより再び核内移行することが明らかとなった。更に、海馬のGRに対するADXの性的二形成の影響は、生殖腺のホルモンに起因し、E2投与(2.5、25、200μg/rat/day)の結果より、E2低量投与と投与期間に依存的してGRが核内へ移行するという免疫組織化学的証拠を得た。生殖腺と副腎のクロストークは、海馬のGRを制御する上で重要な役割を果たしうつ病のようなストレスに関連する疾患に大きく関与するものと考えられた。本課題については、論文(研究発表参照)にて発表した。 2)中脳背側縫線核(DRN)のセロトニン(5-HT)ニューロンにおいて、雌雄成獣ラットおよびマウスのエストロゲンレセプターα、β(ERα.ERβ)、アンドロゲンレセプター(AR)の共存関係について免疫組織化学法による光学顕微鏡レベルの解析を行った。免疫二重染色では、多くの5-HTニューロンが、特に雌雄マウスのrostral DRNで、ERα及びERβと共存していた。 2.セロトニンレセプターの脳内分布 成獣ラット雄の内側扁桃体(mAMG)におけるセロトニン2Cレセプター(5-HT2CR)に注目し、精巣摘出(TX)群、TX+ADX群および対照群を免疫組織化学法を用いて光学顕微鏡レベルで比較した。5-HT2CRは、mAMGに豊富に分布しており、その一部は、AR、ERα、ERβと共存していることが認められた。 なお、本年度行った上記課題における光学顕微鏡レベルの解析は、プラネトロン画像解析装置を用いて行った。
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Research Products
(1 results)