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2003 Fiscal Year Annual Research Report

有機溶剤依存症の病態および治療に関する分子生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 15790632
Research InstitutionKyoto Prefectural University of Medicine

Principal Investigator

土田 英人  京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40336748)

Keywords有機溶剤 / 依存症 / 免疫組織化学 / CaMK-II / リン酸化CaMK II
Research Abstract

有機溶剤の吸入により生じる精神症状や精神依存がドーパミンやセロトニンといった脳内モノアミンニューロンの神経伝達や神経可塑性と深く関わっていることから、シナプス前膜でそれら神経伝達物質を含むシナプス小胞の輸送・開口放出に関与するタンパク質をリン酸化し、その機能調節を行っているカルシウム/カルモジュリン依存性タンパクキナーゼII(CaMK II)に着目し、免疫組織学的手法を用いて生体内中枢神経系における有機溶剤依存のメカニズムを検索した。
実験動物は生後50日齢のWistar系雄性ラットを用いた。動物を透明なプラスティック容器(60×40×35cm)内にトルエン(2ml,2000ppm)を吸収させたろ紙の入ったシャーレを置き、その中で動物を3時間ずつ吸入曝露させた。対照動物も同様の処置をトルエンの入っていない別の容器を用いて同時に行った。また、容器内のトルエン濃度・酸素濃度も同一条件にした。
抗CaMK II抗体および抗p-CaMK II抗体(Thr286)を用いた免疫組織化学法による実験を行った。
4%パラホルムアルデヒドで灌流固定後脳を摘出し、クリオスタットにて凍結切片を作成した。CaMK IIおよびp-CaMK IIに対する特異抗体(1次抗体)を各々室温で4日から7日間反応させたのち、型通りのABC法をおこない光学顕微鏡を用いて観察した。
その結果、トルエン急性・慢性曝露両群においては、対象群に比してリン酸化CaMK II免疫反応が前頭皮質,帯状回皮質,側頭葉皮質,海馬の一部で増強する頬向が認められた。これらが、依存等に関与するドーパミンA10ニュ-ロンの分布に合致することから、有機溶剤による依存の形成にCaMK IIのリン酸化が関与していることが示唆された。今後はさらにCaMK IIそのものの発現量を、RT-PCRやノーザンブロットを用いて、より定量的に検索していきたいと考えている。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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