2004 Fiscal Year Annual Research Report
双極性障害におけるミトコンドリアDNA多型と細胞内カルシウム動態の関連
Project/Area Number |
15790643
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
数野 安亜 独立行政法人理化学研究所, 精神疾患動態研究チーム, リサーチアソシエイト (40360523)
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Keywords | 双極性障害 / ミトコンドリアDNA / カルシウム / サイブリッド / ミトコンドリアDNA多型 / ヒスタミン |
Research Abstract |
昨年度、核とミトコンドリアにratiometric-Pericam蛋白質(カルシウム濃度依存的に吸収波長が変化する蛍光蛋白質でカルシウム濃度の定量が可能であり、この蛋白質を導入した細胞で細胞質とミトコンドリアのカルシウム濃度が別々に測定できる)をミトコンドリア遺伝子が破壊されたρ^0206細胞(Osteosarcomaのcell lineである143B.TK^由来細胞を数ヶ月間、低濃度のエチジウムブロマイド存在下で培養することで作製)に恒常的に共発現させた細胞を作製した。また、3省合同のゲノム倫理指針対応の理化学研究所・脳科学総合研究センターにおける倫理委員会承認のもと、双極性障害患者及び正常被験者に口頭及び書面にて研究の意義、方法を十分に説明し、同意を得た上で採取した末梢血から血小板を分離し、上記の細胞とポリエチレングリコール存在下で融合させ、ハイブリッド細胞(サイブリッド)を作成した。 今年度は、上記のようにして作製された36人分のサイブリッドについて、カルシウムレシオイメージングシステムを用いて、ヒスタミン刺激性のミトコンドリア内及び細胞質内のカルシウム濃度の測定、タイムラプス画像解析を行った。また、各サイブリッドが持っているミトコンドリアDNA多型について、各多型ごとに細胞質とミトコンドリアのカルシウムレベルの比較を行った。これらの解析より、双極性障害と関連が報告されているミトコンドリアDNA多型10398が、静止時におけるミトコンドリアのカルシウムレベルに影響を与えていることがわかった。また、histamine刺激における細胞質のカルシウム反応には別のいくつかのミトコンドリアDNA多型が関連していることもわかった。
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