2003 Fiscal Year Annual Research Report
マンガンポルフィリン製剤を用いた腫瘍特異性MRI用造影剤の可能性についての研究
Project/Area Number |
15790662
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
那須 初子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70334985)
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Keywords | MRI / 造影剤 / ポルフィリン / マンガン / 腫瘍 |
Research Abstract |
6週齢のC3H/Heマウスの皮下に、マウスの扁平上皮癌であるSCC VII細胞を移植。約14日経過後、径約2-3cmに増大した腫瘍をもつマウス10匹に対し、MRI検査を施行した。造影前のT1強調画像の横断像を得た後、4匹が死亡したため(原因は麻酔事故と推測)残り6匹にマンガンポルフィリン製剤の一つであるHOP-9P(13,17-bis(1-carboxypropionyl) carbamoylethyl-3,8-bis(1-phenylpropyloxyethyl)-2,7,12,18-tetramethyl-porphyrinato manganese (III))を尾静脈より投与した。翌日投与24時間後のMRI検査を施行し、それぞれのT1強調画像の横断像を得た。各々の撮影施行後直ちにマウスを屠殺し、-20度の冷凍庫内で24-48時間かけて凍結させた。その後、得られたMRIでの腫瘍の最大断面に対応する横断面を中心とする2枚の切片を作成し、一方をホルマリンで固定後、脱灰してHE染色した。もう一方の切片における腫瘍部を6〜9等分になるように分割し、各々につきICP法で組織内マンガン濃度を測定した。この際1匹では良好な腫瘍の切片が得られなかったので、5匹分について組織内マンガン濃度を測定した。得られた測定結果と造影剤のMRI画像との比較において、組織内マンガン濃度の量と造影剤の信号増強の程度に相関が認められなかった。このことから造影後のMRI画像の信号増強の決定には、組織内マンガン濃度以外の要因も関与していることが示唆された。当初の計画では腫瘍の壊死部、生存部をそれぞれ分別して採取し、組織内マンガン濃度を計測する予定であったが、生存部がごく狭い範囲にしか認められず、技術的に生存部のみの採取は困難であったため上記の方法をとった。
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