2004 Fiscal Year Annual Research Report
Leuko-araiosisの病態に関する研究-白質病変の病理所見と代謝の変化-
Project/Area Number |
15790668
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松末 英司 国立大学法人鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (30325013)
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Keywords | leuko-araiosis / 白質病変 / MRI / 組織像 / MRスペクトロスコピー |
Research Abstract |
剖検脳MRIのT2強調像において認められた20例の白質病変をpattern別に分類し、病理組織像と対比し検討した。高信号域はオリゴデンドログリアの減少、髄鞘ならびに軸索の脱落を反映していた。側脳室周囲に見られた高信号域では、側脳室上衣細胞の脱落とグリオーシスを伴っており、比較的強い粗鬆化を示していた。皮質下白質・深部白質の点状、斑状あるいは融合状を呈する高信号域に関しては、軸索やオリゴデンドログリアの脱落は比較的軽度であったが、大脳白質にびまん性に拡がる高信号域では、白質線維の脱落は、より高度で粗鬆化を示していた。 プロトンMRスペクトロスコピーによる検討では、皮質下白質・深部白質の点状、斑状散布像あるいは融合状を呈する高信号を示した症例10例を、3テスラ超伝導MRI装置にて検討した。 神経細胞の絶対数を反映するとされているNAA(N-acetyl-aspartate)が、白質において有意に低下していたが、皮質のNAAに関しては有意な低下は見られなかった。白質におけるNAAの低下は、前年度検討した皮質下から側脳室周囲にかけて広範にみられる型のNAAの低下と正常例の白質のNAA値との間の数値を示していた。皮質のNAAに関しては有意な低下は見られなかった。 以上より、本年度の検討では、MRIにおける皮質下白質・深部白質の点状、斑状散布像あるいは融合状を呈する高信号域は、皮質下白質から側脳室白質にかけて広範に拡がる高信号域と比べると組織学的にも変化が軽く、プロトンMRスペクトロスコピー上での代謝の低下も軽度であった。 今後は、大脳白質が高信号を示す症例において、白質の信号強度が保たれている領域の組織像とプロトンMRスペクトロスコピーによる評価を追加して、これまでのデータをもとに白質病変の出現するメカニズムについての検討を行う。
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Research Products
(2 results)