2003 Fiscal Year Annual Research Report
ο-(2-[^<18>F]フルオロエチル)チロシンの合成と腫瘍集積に関する研究
Project/Area Number |
15790673
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 和孝 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (00325458)
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Keywords | アミノ酸トレーサー / ポジトロンCT |
Research Abstract |
本年度は、FETの標品の合成と2-[^<18>F]fluoroethyl tosylateからの[^<18>F]FETの合成法の検討を行った。 1.FET標品の合成 2-fluoroethanolとp-toluenesulfonyl chlorideとの反応により約75%の2-fluoroethyl tosylateを得た。 2-tert-butoxycarbonylamino-3-(4-hydroxyphenyl)-propionic acid methyl esterと2-fluoroethyl tosylateを反応させ、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、約40%の2-tert-butoxycarbonylamino-3-(4-fluoroethoxyphenyl)-propionic acid methyl esterを得た。更にその生成物と水酸化ナトリウムと反応させ、最終的に逆相HPLCにより分離精製を行い、約20%のFET標品を得た。 2.[^<18>F]FETの合成法の検討 ^<18>O-濃縮水をターゲットとする^<18>O(p,n)^<18>F反応によって生成する担体無添加の[^<18>F]を炭酸カリウムとクリプトフィックス222を添加して十分乾燥させた後、無水アセトニトリルに溶解させた1,2-ビス(トシルオキシ)エタンを加え、90℃で10分間加熱した。反応終了後、室温に冷却し、エーテル4mLを加えた溶液をシリカゲルカートリッジに通じ反応容器に捕捉した。さらにエーテル4mLを同様にシリカゲルカートリッジに通じ、反応容器に補足させ、それらの溶液を減圧留去した。次にL-チロシンと水酸化ナトリウム水溶液をDMSO0.5mLに加えた溶液を添加し、90℃で15分間加熱した。反応終了後、室温に冷却し、高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC-Pak ODS A 10×300、移動相:エタノール/水/酢酸=10/87.5/2.5[vol/vol/vol]、酢酸アンモニウム2.5g/L、pH3.0、流速:4.0mL/min)によりO-(2-[^<18>F]フルオロエチル)チロシンを分離し、ロータリーエバポレータにより溶媒を減圧留去した。得られた生成物を局方生理食塩水に溶解し、ミリポアフィルターに通じ、注射剤とした。合成時間は約70分、放射化学的収量は20-25%、放射化学的純度は95%以上であった。 次年度は、[^<18>F]FETを用いたin vivo及びin vitroでの検討や、自動合成装置を用いた[^<18>F]FETの自動合成化への検討も併せて行っていく予定である。
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