2004 Fiscal Year Annual Research Report
ο‐([^<18>F]フルオロエチル)チロシンの合成と腫瘍集積に関する研究
Project/Area Number |
15790673
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 和孝 九州大学, 大学病院, 助手 (00325458)
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Keywords | アミノ酸トレーサー / ポジトロンCT |
Research Abstract |
前年度は、2[^<18>F]Fluoroethyl tosylateからの[^<18>F]FET合成法を検討したが、本年度は、2-Bromoethyltrifluoomethanesulfonateを原料とする[^<18>F]Fluoroethyl bromideからの[^<18>F]FET合成法の検討、臨床使用のための自動合成化の検討を行った。更に[^<18>F]FETを臨床使用するための有用性と安全性の検討を行った。 1.[^<18>F]FET合成法の検討 ^<18>O-濃縮水をターゲットとする^<18>O(p,n)^<18>Fの核反応により生成する担体無添加の[^<18>F]HFに炭酸カリウムとクリプトフィックス222を添加して十分乾燥させた後、2-Bromoethyl trifluoomethanesulfonateを含むO-Dichlorobenzene溶液と反応させ、[^<18>F]Fluoroethyl bromideに導いた。次に、ヘリウムガス気流下、130℃で3〜5分間蒸留し、[^<18>F]Fluoroethyl bromideをL-TyrosineとNaOH水溶液を含むDMSO溶液中に通じた後、密閉系で100℃、10分間加熱反応させた。反応終了後、室温に冷却し、高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMc-Pak ODS A10×300mm、移動相:アセトニトリル/50mM酢酸アンモニウム/酢酸=10/90/0.5[vol/vol/vol]、流速:3mL/min)により[^<18>F]FETを分離し、ロータリーエバポレータにより溶媒を減圧留去した。得られた[^<18>F]FETを局方生理食塩水に溶解させ、注射剤の製法にて製した。合成時間は、約60分、放射化学的収量は、25-35%、放射化学的純度は、98%以上であった。 自動合成装置を用い、合成した[^<18>F]FETは、臨床使用のための品質管理基準をすべて満たしていた。 2.腫瘍マウスを用い、[^<18>F]FET(10μCi/0.5mL)を尾静脈から投与し、15分、30分、60分、90分後における腫瘍組織への[^<18>F]FETの集積(%dose/g)は、6.14、4.65、4.76、4.22であった。また、対血液比で1.79、1.59、2.40、2.84であり、対筋肉比で1.52、1.44、2.51、2.77であった。正常組織への集積は、特に膵臓への集積が高く、15分後が15.73で、90分後でも9.11あり、すべての時間において、常に他の組織より高集積であった。また、脳への集積は非常に低かった。 自動合成装置を用いた[^<18>F]FETの合成は、臨床に使用できる品質を持っており、動物実験から、腫瘍への集積が高く、腫瘍のPETトレーサーとしての有用性が期待できた。
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